プロメテウスの失敗

プロメテウスがつくった人間を評して
審判役のモモス(不平や悪口を言う神)が言った。

 

人間の心は外側につけなければ!
心が外についていれば
悪巧みが丸見えで隠しようがない。
誰もかれも
何を思っているかちゃんと見えるようにね。
 

ニュクス(夜を表す原初の女神)の子モモスに賛成!


受け取るものがあれば差し出すものがなくてはならない

村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の

ストーリーは忘れても

この言葉は絶対忘れない。

 

 

 

 


月はチーズでできている

007のタイトルにもなったムーンレイカー(moonraker)は
馬鹿者とか阿呆者を表す古典的隠語で、
英国ウィルトシャー州の人たちも含まれる。

 

ウィルトシャー州の人たちって?
いつも羊と昼寝を習慣化しているらしく
怠惰で優雅な一日を過ごしているようだ。

 

池のそばを通りかかった役人はあざ笑った。
馬鹿な奴らだ。
池に映った月(チーズでできているらしい)を
熊手で掻き集めるなんて!

 

地球脱出計画(007)に使われたスペースシャトルは
ムーンレイカーと名付けられていた。

 

ムーンレイカーは最後に笑う奴という意味もある。
ハイチーズの見せかけじゃなく、
ホントに笑うために
のたりのたり生活も必要かもしれない。


独立器官

同時に何人もの女性たちと気軽に交際し、
芳醇なピノ・ノワールのグラスを傾け、
居間のグランド・ピアノで『マイ・ウエイ』を弾き、
都会の片隅で心地良い情事を楽しみ続けることもできたのだ。
にもかかわらず彼は食べ物も喉を通らなくなるほど痛切な恋に落ち、
まったく新しい世界に足を踏み入れ、
今までに見たこともない光景を目にして、
その結果自らを死に向けて追い立てることになった。

 

これは村上春樹の『独立器官』に出てくる渡会医師の描写である。

 

私とはいったいなにものなのだろう
ある女を好きになった渡会医師は真剣に考え始める。
結果、
彼は飢死(死に至る道を何日もかけて歩まなければならない)する。

 

純粋な渡会医師の美しさが伝わる作品だった。


007と芭蕉

原題 『You only live twice(007は二度死ぬ)』 は
原作者フレミングが芭蕉の俳句にならって詠んだという
英文俳句

You only live twice;
Once when you’re born,
And once when you look death in the face.

に由来する。

 

人生は一度きり(You only live once)ではなく

人は二度しか生きることがない
この世に生を受けた時、そして死に臨む時。

 

命二ツの中に活(いき)たる桜哉(かな) 芭蕉

 

旅の途中はいろいろあっても
生を受けた時の命と死に臨む時の命が

同じ(変化させられない)であることを願う。


嫉妬と生

20歳の頃、
死ぬことだけを考えて生きていた多崎つくる。

 

その原因は
5人(男3人、女2人)の調和の乱れ。

5人の核になる部分にいるのが
色彩を持たない多崎つくる。
その周囲に
色(アカ、シロ、アオ、クロ)のある人物が配置されている。

 

そしてこの5人の調和と安定にシロがメスを入れる。
結果、
多崎つくるは死の淵を彷徨うことになる。

 

ある夜、
つくるは激しい嫉妬に苛まれる夢を見る。
ひとりの女性を何より強く求めていたつくる。
その女性が言うには
肉体か心のどちらかひとつなら
あなたに差し出せる。
でもその両方を手に入れることはできない。
だからどちらか一つを選んで。
もうひとつは他の誰かにあげることになるから。

彼女のすべてを求めていたつくるは
このとき初めて嫉妬という感情を知る。

 

自らを牢獄に閉じ込め、
内側から鍵をかけ
その鍵を鉄格子の外に投げ捨て、
自分が幽閉されていることを知る者は
この世界に誰一人いない。

 

夢の中で
嫉妬の本質を知ったつくるは
支配されていた死の憧憬を打ち消し
焼けつくような生の感情を取り戻していく。

 

愛の対象を all or nothing とせず
誰かに半分(心か肉体)あるいはすべてを奪われるという
嫉妬に目覚めたつくる。

 

彼の巡礼の年が始まる。


風と光とカーテンと

カーテンを新しくしました。

重い遮光カーテンは風にからまない。

光を通すやわらかいレースカーテンはふわっと風をはらんでじゃれ合う。

 

じゃれ合う邪恋も恋のうち。

 

 

 


苦しみは同じ

主なる神は言われた。
「人は我々の一人のように善悪を知る者となった。
今は手を伸ばして命の木からも取って食べ、
永遠に生きる者となるおそれがある。」

こうしてアダムを追放し、
命の木に至る道を守るため
エデンの園の門を閉ざした。
智天使ときらめく剣の炎によって。

 

神に背いた罰として
アダムは骨を折って働く労働(labor)を、
イヴは陣痛(labor)という産みの苦しみを、
神から授かる。

 

アダムの肋骨からつくられたイヴは
アダムの支配下(忠実な妻)に置かれる。
そして神は
「おまえの望みはおまえの夫のものだ。」と言った。

 

物事を新しくをつくりだしたり
何か新しい事をし始めるときの苦労を
産みの苦しみとも言う。

 

神から授かったイヴの産みの苦しみと
死ぬまで続くアダムの労働は同じ labor で表される。
繰り返しの labor の果てには完成があるかもしれない。
楽園にいる限り完成させるものはない。


プルメリア

地上の楽園ハワイのイメージが強いプルメリア。
レイや香水などに使われ
楽しさイッパイ(暗さは皆無)の花かと思いきや、
死者に手向ける花という顔を併せ持っている。

通常花びらの真ん中に見られるはずの
おしべめしべがない(奥の奥に潜んでいる)。
また花びらがヒラヒラ舞って散るのではなく
椿のように散り落ちるのが特徴のようだ。


この一般的ではないプルメリアの香りに包まれることで
死者の魂は安心して眠れるのだろう。

 


永遠の命より

神との約束を破ったアダムとイヴは

楽園生活(永遠の命)の外に出る。
地(アダム)が呪われたことで
男アダムは食べ物を得るため

額に汗して働かなければいけなくなった。

塵にまみれた土をキレイ(純粋な土)にしようと思い立ち、
毎日汗を流しています。
呪われた地がいつかキレイになることを願って!

 

楽園の外には必ず結末がある。
だから

終りよければすべてよしを体験できる。

 


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