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- 2022.04.05 Tuesday
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20歳の頃、
死ぬことだけを考えて生きていた多崎つくる。
その原因は
5人(男3人、女2人)の調和の乱れ。
5人の核になる部分にいるのが
色彩を持たない多崎つくる。
その周囲に
色(アカ、シロ、アオ、クロ)のある人物が配置されている。
そしてこの5人の調和と安定にシロがメスを入れる。
結果、
多崎つくるは死の淵を彷徨うことになる。
ある夜、
つくるは激しい嫉妬に苛まれる夢を見る。
ひとりの女性を何より強く求めていたつくる。
その女性が言うには
肉体か心のどちらかひとつなら
あなたに差し出せる。
でもその両方を手に入れることはできない。
だからどちらか一つを選んで。
もうひとつは他の誰かにあげることになるから。
彼女のすべてを求めていたつくるは
このとき初めて嫉妬という感情を知る。
自らを牢獄に閉じ込め、
内側から鍵をかけ
その鍵を鉄格子の外に投げ捨て、
自分が幽閉されていることを知る者は
この世界に誰一人いない。
夢の中で
嫉妬の本質を知ったつくるは
支配されていた死の憧憬を打ち消し
焼けつくような生の感情を取り戻していく。
愛の対象を all or nothing とせず
誰かに半分(心か肉体)あるいはすべてを奪われるという
嫉妬に目覚めたつくる。
彼の巡礼の年が始まる。