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- 2022.04.05 Tuesday
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冥界に通じる入口があるとされた“ラコニア(ギリシア南部に位置するペロポネソス半島のさらに南端の地方名)”を調べていて知ったのが簡潔さを示す“ラコニック(laconic)”という単語。このラコニア地方に侵入した(紀元前11世紀頃)ドーリア人がその中心に建設したのが都市国家スパルタ。ラコニアの核はスパルタ? 会話は簡潔? シンプル・イズ・ベストの生活? 冥界の入口はココから? また蜜柑の産地としても有名な地域で、ラコニアというオレンジジュースが生産されているらしい。温暖な気候と風土によって産み出された蜜柑の基本はまさにラコニック。木からもぎ取り手で皮をむきサッと食べられるもんね。
余談になりますが、この島に住むレスボス人を英語で表現すると“Lesbian”。その後どういう過程を経てこの言葉が女性同性愛者を意味するようになったのかは不明ですが、レスボス人とレスビアンは結び付いてしまいました。音楽と詩に秀でた才能を発揮したオルフェウスとアリオンがそのラコニックキーを握っているのかも。
棺に寄り添うシェパード犬がChief Mourner(喪主)。
死んだのは飼い主だった老羊飼い( Old Shepherd)。
孤独な飼い主と飼い主に忠実だった犬の強い絆を感じます。
仲が良かった飼い主と犬。
イメージは冥界を守るケルベロス。
鬼の持ち物とされる棍棒は英語で表現すると会員制クラブの“クラブ(club)”と同じ単語が使われています。共通する趣味のクラブもゴルフのクラブもトランプのクラブもすべて『club』でそのうちの一つが暴力的イメージの棍棒。怪物退治でその怪力を発揮したヘラクレスを象徴する持ち物がトランプのクラブ(♣)と同じように先端に三つのコブがある棍棒でした。この三つ葉マークは蛇がいないアイルランドの国花クローバー(白詰草)の葉がベースになっていて、かつては牛馬のエサとなる牧草として栽培されていたマメ科の植物。空気中の窒素を吸収して成長するクローバーは土に窒素を供給できる緑肥植物でもあり、土の養分を吸い上げて育つ他の植物とは完全に反対の役割を担っています。
三枚の葉が一体化した白詰草の葉には白い線があり、
そのラインを結ぶと聖なる三角形になる。
鬼やヘラクレスが所属しているのは先が尖った三角クラブ?
死者だけにのみ立ち入りが許されていた冥界に生者の身で立ち入ったのが詩人オルフェウスと怪力の持ち主ヘラクレス。さらに神々がエロスの妻として認めた人間プシュケも冥界訪問を果たしています。冥界に通じる道は危険な一方通行(往路のみ)で、まさに♪行きはヨイヨイ帰りは怖い♪の世界。その怖い復路を通ってこの世に帰って来たのが先に示した三人の生者。死者が住む世界と生者が住む世界は大きな隔たりがあったようで、その境界に陣取っていたのが音楽と甘いモノが大好きな怪物ケルベロス。彼の父は原初の神ガイアが最後に産み落とした怪物あるいは神とされるデュポーン(暴風や台風を司る)で、怪物と神の違いは紙一重。
北欧神話に登場する死者の国(ヘルヘイム)にもガルムという名の番犬がいました。またエジプト神話に登場する冥界の神アヌビスは頭部が犬であるとされています。死の世界と深くかかわる犬は世界共通の認識? 日本では犬と死を結びつけ無益に死ぬことを“犬死”という言葉で表現しています。犬が死ぬと無益・・ では猿が死ぬと有益? さらに武士道をわきまえない侍を小馬鹿にして呼ぶのが犬侍。他に犬神(人に害をなす目に見えない憑きもの)や犬神人(京都祇園辺りで屍の始末や道路の清掃などをしていた)などという言葉あり、犬と神は切っても切れない間柄。そういえば神を祀る神社には犬っぽくない狛犬がいるし、dogの反対はgodだし、大神と同音の狼は犬の原種でもある。
さて話を元に戻して冥界の忠実な番犬ケルベロス(底なし穴の霊を意味する)を考えてみたいと思います。底なし穴からイメージするのはこれ以上落ちようのない最後の最後に通じる奈落の底。ヘラクレスが挑んだ12項目にも及ぶ難行の最後の最後が奈落の底を象徴するケルベロスに光を当てること。連れてくるにはまず冥界にたどり着かなければならず、その条件を満たすのに必要だったのがエレウシスの蜜儀に参加することでした。エレウシスの蜜儀とは大地の女神デメテルが誘拐された娘を探し出すため我を忘れて各地を放浪したことと関係しているようで、意識がある状態では冥界にはたどり着けない感じ。次に彼は冥界の入口があるとされているラコニアのタイナロン岬を目指します。ここから先は歩いて行くことはできず、覚悟のうえ海に飛び込んだ者だけが冥界の入口に立てるのかも。こうして冥界から連れてこられた地球の核的存在ケルベウスを見て凍りついたのが命令したエウリュステウス。犬に光が当たるのはこの世では御法度・・ということでケルベロスは現在も死者の国を忠実に守り続けています。
紅白の花びらが入り乱れて咲く色合いはバラエティ豊かな反面、
無秩序なバラバラ感も感じます。
紅白がうまく混じると写真(↑)の下の方に見える穏やかな花色になるんだけれど、
対立したような雰囲気で赤と白が混じると落ち着けないこのケバサ。
日本の軍旗に似た配色は精神高揚を重視している感じで
リラックスムードとは正反対。
ピンクの花で統一されたこのサツキが一番落ち着く。
天候も気温も落ち着きのない五月。
しかも五月に咲くサツキまで落ち着きのない花色で、
五月蠅いハエも落ち着きがない。
サツキの花色混交は五月を象徴する花色なのかも(英語でカモはmay)。
生きている身で冥界に下ったオルフェウスの母は9人姉妹ミューズ(ムサ)の長女カリオペ。芸術神ミューズたちは“オリンポス”のゼウスと“ティタン”ムネモシュネ(記憶の神)の対立する二人の間に誕生しています。美声の持ち主とされたカリオペは叙事詩を司る神で、住処は不毛の石灰岩で構成されたパルナッソス山。その美声の持ち主の夫(オルフェウスの父)はというと、アポロンとする説とトラキア王オイアグロス(人間)とする両極端の説があり、竪琴を抱えて冥界訪問を果たした詩人オルフェウスから想像すると彼の父はアポロンの方がふさわしい。とは言うもののオリンポス在住のアポロンとパルナッソス在住のカリオペは同居状態にない。普通なら決してたどり着けない暗部に達したオルフェウス。奇跡とも言える生者の冥界訪問を可能にしたのが亡き妻を心から想う彼の愛情。その愛を後押ししたのが父から譲り受けていたあの竪琴でした。
オルフェウスの新妻だったエウリュディケ(森の木の妖精)は草原で養蜂家アリスタイオスに追いかけられたことがありました。その時の事故(蛇に足を噛まれた)が原因で命を落としたエウリュディケ。このストーカー癖のあるアリスタイオスもオルフェウス同様アポロンの息子で、二人は異母兄弟の間柄。人妻であると告げられてもなお彼女を追いかけ回したアリスタイオスは直接の加害者ではないにしても結果として彼女を死に向かわせています。幸せの絶頂にあったと思われるオルフェウスはアリスタイオスのせいで奈落の底を見る羽目に・・ こうして絶望を知ったオルフェウスはこの世で知っている人は誰もいない死者の国に向かいます。番犬ケルベロスも管理者ハデスもオルフェウスが奏でる竪琴に心を動かされ、彼は生きて死者の国を見るという特殊体験をすることになります。
わたしの別名は“雪ん子”。
花びらに見える4枚の苞葉は一枚ずつ開き、外側の苞が最も大きいサイズになっています。抗菌作用のある渋き(ドクダミの古名がシブキ)ニオイのせいで寄り付く虫はいない。日当たりのいい場所より日陰がお気に入りのドクダミの根は苞と同じように白い。見える部分も見えない部分も美しい白さのドクダミ。その美しい白さを保つことができるのがあのニオイ。さらに花言葉がヨウワカラン“白い追憶”。毒にも薬にもなる危険な草があるなかで、毒を全く含まないドクダミはすべてが薬になります。
根も葉も花も酒に浸して作ったドクダミエキスを塗って雪ん子を目指そう!
人のスケッチを描くのがうまい主人公ルーサーは緻密に下調べをして静かに忍び込む泥棒の腕も持っていました。繊細な絵画表現ができる腕を持つということは緻密な計画を立て他人のモノを大胆に盗む腕にもつながる感じ。キチンと下調べをして忍び込んだ大富豪サリバン邸の寝室にあったのが厳重な電子機器で守られていた金庫室。
サリバン夫妻が不在であることを確認していたルーサーは安心して盗みを完了するはずだったのに、途中でサリバン夫人がある男を連れて帰って来ます。たまたま金庫室に配置されていた椅子に座って寝室で戯れる二人を見ることになるルーサー
男と女の戯れはしだいにエスカレートし、男の暴力性に腹を立てた女は男にナイフで立ち向かいます。男の悲鳴と同時に銃弾の音が響き渡り、倒れたのはサリバンの妻クリスティ。彼女を撃ったのは大統領の警護をするシークレット・サービスに就く男。そして事件をもみ消したのが大統領補佐官グローリア・・ となると先の悲鳴の主は? そう!ジーン・ハックマンが扮した大統領(リッチモンド)本人。そのリッチモンドを大統領へと押し上げたのが大富豪サリバンで、二人(金と権力)は裏でつるんでいました。そんな経緯があったにもかかわらず女癖が悪い大統領はサリバンを裏切り、テレビで嘘泣き。権力者の実像ってこんなもん?
原題は大統領が持つ絶対的権力を意味する“Absolute Power”。国外逃亡を企てていたルーサーはたまたまテレビで大統領の偽善を見てしまい、その瞬間に彼を包んだのがAbsolute Powerだったように思います。旧約聖書に書かれている言葉“目には目を”に従い、絶対的パワーに絶対的パワーで立ち向かったのが変装上手な大泥棒。
特に一人娘ケイトの家に侵入して何も入っていない冷蔵庫に多くの食べ物を置いていく親心はサスガ世紀の大泥棒! 透明人間のようにアッチコッチに侵入できる彼は家族をほったらかしにしつつ、いつも家族のことを気にかけています。そんな大泥棒を敬愛していたのが刑事セスで、渋い男の娘は渋い男に心惹かれていました。
捜査のためルーサーの隠れ家を訪問したセスとケイト。彼女は初めて見る父のプライベート・ルームに自分や母の隠し撮り写真が飾られているのに驚き、思わずこんな呟きが・・「部屋に戻ると父の来た気配がしていた。何かを見たり冷蔵庫の中身を心配したり、バカみたいだけれどいつも父がそばにいるみたいだった」 そんな彼女の気配は事実で、気配をキャッチできるのが親子関係なのかも。そしてその大事な娘に危害が加えられたことでルーサーのAbsolute Powerは更に激しさを増していきます。
* 監督 クリント・イーストウッド 1997年(米)作品
* 出演 クリント・イーストウッド ジーン・ハックマン エド・ハリス
★ ラストに流れるイーストウッド作曲のピアノ曲(Kate’s Theme)がヨカッタ。
3枚の花びらの中に規則正しく配置されているのが6本のオシベと白い花糸。
その中にメシベがあるはずなんだけれど、
花糸が多くてメシベがどこにあるのか確認できない。
(秀吉・辞世の句)
南アメリカ原産のトキワツユクサは夕方になっても散る気配なく咲き続けています。
要注意外来生物に指定されている常盤露草の本心は何が何でも散りたくない?