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    サヨナラ

    • 2009.06.30 Tuesday
    • 22:36
      

    “ゴッドファーザー”や“ラストタンゴ・イン・パリ”などでイカツイ男を演じたマーロン・ブランドが33歳の時に主演した映画で、戦後12年目の日本を舞台に英語と日本語がぶつかり合いながら進行します。アクが強いマーロン・ブランドが扮したのは日本人女性を愛する飛行機乗りのロイド・グルーバー少佐。韓国に滞在していたロイドは米軍トップの指令で赴任してきたのが先の大戦で大きな傷を残していた日本。
    敗戦の苦しみから立ち上がろうする再生中の頃で、当時の日本芸能(歌舞伎・文楽・能・歌劇)が存分に紹介されています。


    ロイドが好きになった女性は松竹ならぬ松林歌劇団に属していたハナオギ。
    当時の日本女性からすれば目立つぐらいに背が高く英語も流暢に話せる女性。松林歌劇団では当然トップの主役で、アメリカ人ロイドは恋人(米国人)がいたのに一目で彼女に惹かれ始めます。しかし軍の規定で日本女性との結婚や公の場に日本女性を伴うことは禁止されていました。そんなルールを無視して日本女性カツミと所帯を持ったのがロイドの同僚ケリー。アメリカ人ケリーが愛した尽くす女カツミを演じたのがジャズ・ヴォーカリストだったナンシー梅木。

                   


    この映画で夫婦役を演じたレッド・バトンズとナンシー梅木がそれぞれこの年のアカデミー助演賞を獲得しています。
    特にカツミ役のナンシー梅木の演技は演技しているようには感じさせない下手な素朴さがありました。しかもスローで訛りのある英語を話す小柄な彼女の印象は強烈! 完成していない魅力というか・・ハナオギとは全く違うタイプの日本女性で献身的に男の世話をしていました。戦後間もない頃の日本は夫にひたすら尽くすカツミタイプの女性が多かったのでは・・では現代の日本女性はというと、尽くすに値する男がいないような気がするのですが。

     
    物語では軍部によって仲を裂かれた二人が心中という選択をして夫婦として添い遂げます。蚊帳の中で果てた二人の印象は横溝正史の世界。彼らが死ぬ前に観ていた文楽でも心中(曽根崎心中?)を扱っていました。この世で添い遂げることができない二人はあの世で添い遂げるという精神は日本的? しかし“死んで花実がなるものか”という諺もあるので日本的と断定してしまうのは危険です。

        


    興味深いところでは歌舞伎役者のナカムラを演じたのがメキシコ人のリカルド・モンタルバン。
    ナンデ〜と首をひねりたくなる配役ですが、この人が演じた女形と獅子は歌舞伎らしかったです。監督が日本芸能に興味があったのか、映画の中で当時の芸能を鑑賞できたのもヨカッタ。映画の筋書きを追うより当時の日本文化に触れて楽しむことができる娯楽作品に仕上がっています。個性的な喋り方をする若いマーロン・ブランドにも会える日米友好映画。

     
    最後は本国に返されることになったロイドがハナオギを追いかけプロポーズするシーン。映画のタイトルになっている“サヨナラ”という言葉が効果的使われています。
    家族や愛する人と別れる際のサヨナラは寂しいですが、ラストのサヨナラは気分がスッキリするサヨナラ。映画の挿入歌として歌われた♪サヨナラ♪という短い歌で幕が閉じられます。知名度は余りないと思いますが、フジヤマゲイシャだけではない日本文化の良さを改めて知ることができる作品でした。


    * 監督 ジョシュア・ローガン     * 1957年(米)作品

    * 出演 マーロン・ブランド   高美以子   ナンシー梅木


    ★ 往年の名作(ピクニック・南太平洋・バス停留所)を手掛けたローガン監督の日本に対する優しい目線が嬉しい。

        YouTube - ナンシー梅木 サヨナラ SAYONARA - Miyoshi Umeki

    輪ぬけ祭

    • 2009.06.29 Monday
    • 22:32

                  

    6月最終日の明日、高知県のいくつかの神社(全国の多くの神社も)で“輪ぬけ祭”が開催されます。地域によっては7月末日に実施されるようですが、高知県では丁度一年の半分が過ぎた630日が開催日。“夏越(なごし)祭り”という名前でも呼ばれるこの祭りは夏バテしないよう厄を落とす(?)ことを目的に大きな輪を潜り抜けます。

    夏バテと厄を落とすことのつながりがイマイチ分かりにくい(エスマルだけ?)ですが、夏を乗り切るためには厄祓いが大事! そしていつの間にかくっ付いてしまう厄を払うためのアクションが俗世間と神の世界を隔てる大きな輪を抜けること。

    “いのの大国さま”と親しみを込めて呼ばれる神社が高知県いの町にあり、この神社でも明日輪ぬけ祭が行われます。正確な神社名は“椙本(すぎもと)神社”で神紋は重ならない三つの輪(下の写真)。ルーツは三つの輪が象徴しているように奈良県桜井市にある大鳥居で有名な大神神社(三輪神社)にあり、祭神は大神神社と同じ“大物主神”。海の遥か彼方から日本にやってきた異国の神・大物主神を祀る神社で行われる輪ぬけ祭は大物主神に近付くための祭りのような気もします。

    一年の半分はコッチ、そして一年の残り半分はアッチという風に考えるとコッチ側の嫌な厄を捨てアッチ側にある好きな役に就くことが可能な日が明日ということ?
    蒸し蒸しした梅雨空で虫が発生しやすい時節、虫に好かれないよう清潔に心がけて輪ぬけを実施しましょう。

       
     
                              *****

       
                     大和神社(奈良県)の茅の輪

    真如が眠る地

    • 2009.06.28 Sunday
    • 22:15
            
     

    高知県“土佐市”と“いの町”を隔てる山々が南西から北東方向に連なる山並のその真ん中辺り(標高約150m)にあるのが徳島県(発心の道場)を起点に始まる四国霊場35番目札所“清瀧寺(土佐市高岡町清滝)”。高知県内の遍路道は東(室戸)から西(足摺)を目指す修行の道場に指定されていて、その修行にふさわしい道が清瀧(きよたき)寺に続く八丁坂と呼ばれるクネクネした急な坂。車道もカーブがあり道幅が狭い急坂になっているので慎重に運転しないとこの寺に到着することはできません。歩き遍路以上に慎重さを求められる車のすれ違いはかなり危険!

     
    寺を開いたのは奈良時代の僧・行基で当時の呼び名は景山密院釈本寺。そして時は流れ平安時代の僧・空海がこの寺で修行をし、七日後の満願の日に金剛杖で子この地をツクと清水が湧き出て滝となり鏡のような池ができたということから寺の名前が改められ“医王山鏡池院清瀧寺”になったとか。奈良が都だった時代を生きた行基の精神は平安時代の空海に受け継がれ、現在は修行の道の風格を感じる場所に立つ清瀧寺。

     

    今の季節のような厳しい炎天下、歩き続ける遍路旅に欠かせないのが旅人の疲れた喉を潤す真水。真水が湧き出たという話から想像すると、この地は生きることに疲れた人を再生させるチカラを秘めた神聖な場所だったのかもしれません。そしてこの特別な地を自分の死後眠る場所に指定したのが“高岳親王(後に出家し空海の弟子になった真如)”。境内の一角にある“入らずの山”で眠る真如は現在の私たちをどのように眺めているのか・・


    政治スキャンダルに巻き込まれ現実に失望した高岳親王は空海に弟子入りし、その後唐を目指して海を渡りました。
    危険な海を渡ってでも生きるナニカを得ようとした真如は太宰府から船出し唐にたどり着くことができました。しかしそれでも納得できなかった真如はさらに西方向のお釈迦様の故郷インドを目指します。自分の死を覚悟した船出から西に向かって旅を続けた真如。自分の故郷を後に船出した真如の消息は分かっていませんが、真如の魂は清い水が湧き出た清瀧寺に隣接した“入らずの山”で今も眠っています。

              YouTube - 四国霊場35番札所 清瀧寺 ♪心の愛♪

       

    運命の女

    • 2009.06.27 Saturday
    • 22:27
              

    ニューヨーク郊外の湖畔に家を構え穏やかな暮らしをしていたサマー夫婦の表裏一体化した愛憎を描いた映画。オープニングはどこにでもある家族の朝の風景で、小学生の息子と小さな会社を経営する夫エドワードを送り出すのが専業主婦コニーの仕事。
    その日の朝は強風だったにもかかわらず彼らを送り出した後、彼女は電車に乗りニューヨークにお買い物。歩くのも困難なぐらいにすべてを舞い上がらせてしまう強風の中、路上でぶつかり転倒してしまったのがコニーとフランス人ポール。タクシーを捕まえ何とか帰ろうとするコニー・・しかしその日のタクシーは止まってくれませんでした。いろいろな要素が加わり事故のようなカタチで遭遇した二人は激しい肉体の快楽におぼれていきます。

    セクシー映像(ナインハーフ・危険な情事・幸福の条件など)で定評があるエイドリアン・ライン監督の意図する方向にズルズル引き込まれていくコニーとポール。二人の間にはセックスしかないのではないかと思わせるぐらい(事実そうだったかも)妖しく燃える二人は冷静さを失いもうどうにも止まらない。知らず知らずにポールが住むソーホーのアパートメントに行ってしまうコニーは夫を裏切るという感情より自分の肉体を自分の意志でコントロールできないぐらいに熱くなってしまったように感じます。燃えさせたのはフランス人ポール、そして燃えたコニーは燃え尽きて灰になるのを待つしかないような雰囲気。
                  

    妖艶な女体を強調させるコニーの変化に早くから気付いていたのが優しすぎるエドワード。何かがあると知りながら目を背けたいような・・でも背けられない彼の心理が痛ましいまでに映し出され、夫を裏切っている妻の背信(原題unfaithful)行為はやはり許せない! 危険な不倫行為を何とか断ち切ろうとするコニーと、一方でポールが別の女の子と仲良くしている現場を見て嫉妬に狂うコニーがいてどうにも始末が悪い。男の肉体に狂った女は鬼に変身する可能性があるので女は変な男にひっかからないようにしないといけません。

     
    エドワードを愛しているのに適当な口実を設けてポールに抱かれに行くコニーの心境は魔が差したとしかいえない感じ。女の扱いが上手いフランス人ポールもコニーをレイプした訳でないのでどちらがどうということも言えないのですが、強風が吹き荒れ日にわざわざ買い物に出かけたコニーのタイミングの悪さがその後の思いがけない事件を招くことになります。その思いがけない事件というのが夫の手による妻の愛人殺害。初めから殺すつもりは全くなかったようで、引き金になったのが夫から妻にプレゼントされたスノーの置物型オルゴール。その置物をポールの部屋で目にしたエドワードはその直後気分が悪くなり、気が付いた時にはそれでポールの頭を殴り殺していました。

            

    ストーリーを書くと泥沼化した三角関係のように感じてしまいそうですが、
    エドワードの妻に対する繊細な愛情が明らかにされる切ないシーンへとつながっていきます。
    それにしても夫からプレゼントされたものをよく知らない男にプレゼントする妻の無神経さはいかがなものか! そしてある日その置物が自宅に戻っていることに気が付き、その中に隠されていたエドワードのメッセージを知ることになるコニー。
    家族三人の写真の裏に記されていた“君は僕の生きる糧”という言葉通り、精一杯妻を愛していたエドワードの心境を思うとコニーがしたことは許されてはいけないのかもしれない。

     
    ポールに何をしたのかと迫るコニーにぶつけたエドワードの言葉にこんなのがありました。「僕は君を知ってる。君が憎い! 殺したかったのはあいつじゃなく君だ!」
    今までずっと押し殺してきたエドワードの感情を爆発させたのが皮肉にも最愛の妻コニー。彼女への愛情が深ければ深いほど憎しみもその深さに比例して増すのだということを思い知らされる緊迫したシーン。純粋さにおいては女より男のほうが上かも。
    そんな純粋な旦那を演じたリチャード・ギアが好き!

     
    誰にも言えない秘密を抱えた二人は何とか毎日を生きていこうとしていました。しかしそんな時間が続くことはなく二人の夢が最後に語られます。事実に向き合い覚悟した二人の間に交された話はすべてを売り払いメキシコへの逃避行。ビーチの小さな家で名前も変え毎日魚釣りとギターの練習をして暮らすのが彼らの夢。現実にそんな日が訪れるかどうか・・こうして二人は警察署の前で夜が明けるのを待っていました。
    嵐の前の静けさより嵐のあとの静けさがきっとホンモノ。


    * 監督 エイドリアン・ライン   * 2002年 作品

    * 出演 リチャード・ギア  ダイアン・レイン  オリヴィエ・マルティネス


    ★ エドワード(夫)にこれほど愛されているコニー(妻)は幸せだっ!

             YouTube - Unfaithful - Movie Trailer
           

    気紛れ色

    • 2009.06.26 Friday
    • 22:12

       

       

    ピンクピンクのままでいたいのか白と交わり白ピンクになりたいのかどっちやねんと問いかけたい気分のこの花は気まぐれな女心を象徴するオシロイバナ(白粉粉)。
    英語名は4時頃から咲き始める(ホントニ?)ということでそのままズバリ4時と言う意味の“four o’clock”。オシロイバナの活動タイムは夕刻から翌朝までの夜間に限られています。人に例えると白粉をつけて街角に立つ娼婦的イメージが感じられるのですが。

    この写真が証明しているように気分次第で白にもピンクにも混合色にもなるオシロイバナ。彼らの地下世界(根)で何が行われているのか分かりませんが、わずか半日の命を生きるオシロイバナはそれぞれの個性を発揮しているように思います。
    このように地上にさまざまな個性を生み出すオシロイバナの根はイモ状に連なり毒を含んでいます。人間には耐えられないこの毒がオシロイバナの個性につながっているのでは・・

    Lover Come Back To Me

    • 2009.06.25 Thursday
    • 22:25

                       

     
    1928
    年に初演されたブロードウェイ・ミュージカル『ニュー・ムーン』の挿入歌だったこの曲は
    日本にも紹介されスタンダードになりました。作曲はハンガリー生まれのアメリカ人“シグマンド・ロンバーグ”、作詞は物語性を組み込み現在のミュージカルを創設した“オスカー・ハマースタイン2世”。『ショー・ボート(1927)』『南太平洋(1949)』『王様と私(1951)』などの脚本を手掛け、サウンド・オブ・ミュージックの挿入歌(♪ドレミの歌・エーデルワイス・私のお気に入り♪)の作詞家でもある人。

    恋人との出会いから別れまでを月の満ち欠けに例えて表現しています。新鮮な二人の恋は完成(満月?)したけれど満月のまま持続する月はないようにあなたは去ってしまった。一人残された傷心の彼(?)が恋人に自分の元に返って来てほしいと呼びかけている内容の歌で、切なさを感じるメロディは主人公の心の痛みをうまく表現しています。不安定さを感じるビリー・ホリデイ(19151959)のヴォーカルとこの歌の相性はピッタリ。

    新たな相手を探そうとせず過去の恋人にすがりつく彼は純情タイプなのか粘着タイプなのか・・粘着性が表面化する男は女に好かれることはまずありません。気まぐれな月の要素を持つ女性を自分のもとに戻す効果的な方法は恋のマジック(彼女のためだけに彼女のためだけの歌を音痴でいいから大声でうたう)の実践。それで駄目なら視線を変えて満ち欠けのない太陽のような女性を見つけるほうがいいカモン。

     
          YouTube - Lover Come Back To Me by ビリー・ホリデイ 

    カサブランカ

    • 2009.06.24 Wednesday
    • 22:27

              

    アフリカ大陸北西部にあるモロッコの港湾都市“カサブランカ”が舞台になった有名なハードボイルド系三角関係の映画。設定された時代は第二次世界大戦中ということで、映画が製作された時期と重なっています。ヒトラー率いるドイツ軍がフランスに攻め入りヨーロッパ全土から詰め掛けた亡命者であふれていたのが当時のモロッコ。
    1956年にフランスから独立したモロッコは当時フランス領で警察などの治安組織はフランスの管轄にありました。ヨーロッパを離れアメリカ大陸を目指したい人たちでごった返す中継地点がカサブランカ。そんな場所でナイトクラブを経営していたのがハンフリー・ボガート扮するリック。

    彼もまた戦時下のパリからこの地に逃げてきた過去があり、人妻イルザと出会い恋に落ちたのもパリ。一度は別れたリックとイルザは再びこのカサブランカで出会ってしまいます。縁が切れたかのように互いに思っていた二人は時の過ぎゆくままに身を任せることで再会が待っていました。「オレの店で喧嘩と政治の話はするな!」と言うのがリックの主張。しかし一方で人情家でもあった政治嫌いの彼は裏賭博で金を稼ぐ悪党を装った紳士。ハンフリー・ボガートのカッコイイ会話は時代を経てもニンマリさせる男の色気を感じます。
                   

    女嫌いのリックが愛した女性はレジスタンス運動に身を捧げようとするヴィクター・ラズロの妻イルザ。そんな夫を誇りに感じ彼を助けようとしていたのがイルザで、リックは彼女にとって火遊び程度の男? しかし彼女が人妻だったことを知らずに愛してしまったリックは彼女のことを忘れられず、二人の思い出の曲♪As Time Goes By♪を封印していた様子が伺えます。その封印を剥がしたのが正義を主張する地下組織のリーダーと妻イルザ。自分のためにしか闘わないと言っていたリックは最終的に彼らに出国ピザを与え、レジスタンス運動の片棒をかついでいました。

    印象に残ったシーンはリックの店でナチ党員たちがドイツ語でドイツの歌を歌った際、それに対抗してフランス国家を大声で歌ったのが仏領カサブランカで出国を待っていた人たち。ナチの男とデートしていたイヴォンヌも愛国心に火がついたかのように涙を流していました。そのように扇動したのがヴィクターでリックの了解を得て歌われたフランス国家はドイツ兵を圧倒し、その直後リックの店は閉鎖されます。

    “君の瞳に乾杯!(Here's looking at you, kid)”という気恥かしい台詞を世間に浸透させたカサブランカは他にもユニークな会話で人を惹きつける会話重視型映画。
    例えば冒頭の紹介で繰り返されるウェイト(wait)という単語も印象深く、カサブランカは出国を待ち続ける人々であふれ返る暑い街。トレンチコートを着る必要はなそそうだけれどボギーだったらすべて許せる! 

               

    またキザな台詞が目立つ中で笑える会話をしていたのが出国のため英語を勉強していたという老夫婦。“
    What Watch?”“Ten Watch.”という会話は本気で出国する気持ちがあるのか疑わしい英会話ですが、日本語を忠実に英語で表現するとこんな言葉もアリかなという気持ちにさせられオモシロカッタ。

    映画のラストはルノーという警察署長とリックが裏で手を組んで芝居をしているような変な終わり方で、ドタバタ劇を見せられている風な感じでした。「君はラズロのものだよ。彼の仕事の一部だ。」と一緒に残ろうとするイルザを説得するリック。
    「僕にはやらなければいけない仕事があり、僕の行くところに君はついていけない。
    君がいると僕のしたいことができない。俺はこんな男だが狂った世界を黙って見ちゃいられない。」とイルザに面と向かって言うリックは何をしたいのか・・

    そして空港に詰め掛けたナチ党員少佐はリックが隠し持っていた拳銃で撃たれ、その事実をかばうのがルノー警察署長。二人でグルになってナチをやっつけようとしているのか、最後の名言が証明しているようで分かったような分からんような結末で無理やり終わりを迎えさせられた感じがします。レジスタンスに目覚めたリックはルノーが発行してくれるという通行許可証でカサブランカを離れ、レジンスタンス組を影で応援するような予感を残して映画は終わります。

    * 監督 マイケル・カーティス     * 1942年 作品
    * 出演 ハンフリー・ボガート    イングリッド・バーグマン

    ★ 自分をかばってくれたルノーに発したリックの最後の言葉『I think this is the beginning of a beautiful friendship.』は美しい友情の始まり・・すなわち“腐れ縁”とも訳されている言葉で友情が発展すると腐れ縁になるという理解をしました。

             YouTube - Casablanca - As Time Goes By

    同行二人

    • 2009.06.23 Tuesday
    • 22:21

             

    先日訪れた鳴無神社に向かう横浪黒潮ラインの入り口付近にあるのが四国霊場36番札所に指定されている“青龍寺”。ついでに行くものでもないカナと思いながら鳴無神社の帰り道、ついでに寄ってきたのがこの青龍寺(しょうりゅうじ)。5年ほど前に敢行した遍路旅で訪れた寺でもあり、自宅から比較的近い場所にある青龍寺は季節の違いを感じさせてくれるのでブラッと行きたくなる親しみのある寺。5年という年月が流れても青龍寺の静かな佇まいに変化はなく、今回は六月の季節にピッタリの紫陽花が迎えてくれました。

    姿は見えないけれど空海と一緒に歩いて寺をまわる“同行二人”が遍路の基本。
    団体で行くと空海をイメージすることができず空と海の関係すら理解できないまま終わってしまうので やはりお勧めは他人から見ると一人旅のように見えて実は見えない空海がそばにいてくれるという同行二人がいい。目には見えなくても自分を守ってくれる確かな存在に気付くことができれば遍路旅は成功!

    青龍寺の名前の由来は真言密教の奥義を求め遣唐使として海を渡った空海が師と仰ぐ恵果和尚を訪ねて行ったのが長安の青龍寺だったことから名付けられています。
    恵果和尚により伝授された真言密教の奥義を体得した空海が帰国に際し放り投げたものが独鈷杵。ドッコイショと落ちたのかどうか・・空海は自分が投げた独鈷杵が落ちた場所を認識していたようで現在青龍寺が立つ山中(高知県土佐市宇佐町竜)に建立されたのが青龍寺の始まり。

    空海が危険な海を渡り唐の港に入る際、遭遇したのが暴風雨によって生じた荒れた波。入唐を拒否するかのような荒立つ波を切って助けたのがこの寺の本尊となった波切不動明王で、空海が自分を助けてくれた感謝の意を込め刻んだものがこの寺の本尊として祀られています。遠い唐から空海が投げた独鈷杵はこの場所で発見され、この場所に青龍寺が建てられたという壮大な話が展開する遍路旅。多くの石段を登らなければ到着できない青龍寺境内で空海が体得した真言密教の奥義のヒトカケラでも見つけることができれば同行二人は大成功!

            四国霊場36番札所 青龍寺 ♪マイ・ウェイ♪

    フィールド・オブ・ドリームス

    • 2009.06.22 Monday
    • 22:18
           

    誰かの声に導かれるように夢の野球場をつくったのが野球に興味がなかった主人公レイ・キンセラ。彼は過去に父とのトラブルで家出し、それ以降一度も会わないまま父と死別するという体験をしていました。マイナーリーグの選手のまま野球人生を終えたレイの父親は、自分が果たせなかった夢を息子に託そうとします。しかし息子(レイ)はそんな父親に反発し野球嫌いの少年として成長。レイのママは彼が三歳の時に死亡していたので、父親一人がレイを育てたようなもの。父の夢を託された息子は父の夢に応えることなく大学卒業と同時に結婚。その頃レイの父親が他界するという前置きが示され映画が始まります。

     

    現在のレイは妻の故郷アイオワ州(米国中部にある農業州)で広い農場を買いトウモロコシを栽培して生計を立てていました。そう・・あの声を聞くまでは。“If you build it, he will come.” それをつくればのソレとは? 彼が来るだろうの彼とは?
    見当もつかないレイはしつこく繰り返す謎の声に振り回されながら、ある日トウモロコシ畑に隣接した野球場が目に映ります。死んだ父がファンだった裸足のジョーことシューレス(shoeless)・ジョー・ジャクソンの姿とともに・・

                   

    ジョー・ジャクソンとは1910年代に活躍したメジャーリーグのホワイトソックスに在籍していた野球選手。1919年に暴露されたワールドシリーズの八百長事件で金を受け取ったジョーは球界から永久追放され、それ以降バットを手にすることは二度となかったという伝説の選手。映画ではお金より野球をもっとしたかったというジョーの心が描かれています。八百長事件の真実は分かりませんが、この事件を扱った映画は他にもあることから考えるとアメリカ国民には関心の高い事件だったのでしょう。

     

    誰かの指示に素直に従いトウモロコシ畑の半分ほどの土地に野球場を完成させたレイ。そこに出現するのが八百長事件で追放されたジョーを含む辛酸を嘗めた選手たち。見える人には見える選手たちのキャッチボールですが、見えない人にはカラッポの野球場が目の前にあるだけ。キンセラ家族は彼らがキャッチボールする光景が見えていました。特に父と何の言葉も交さないまま別れてしまったレイは後悔の気持ちを募らせていたと思います。

             
    謎の声はその後も続き、レイは遠路はるばるテレンス・マンという小説家に会うため車を走らせます。家計は底をつき経済的困窮に陥っていたにもかかわらず、レイは謎の声に忠実に従う実践者でした。当然周囲からは変人扱いされ自分が住む家まで手放さないといけない状態だったのに、レイは何の得もない行動を続けていきます。損得だけで測れないものがこの世にはありそうで、レイは何かに憑かれたような行動力でアイオワ州を飛び出しました。


           

    今まで一度も羽目を外したことのなかったレイに羽目を外させたのが謎の声。レイ自身の内面から聞こえてくる声なのか、レイは高い壁にぶつかってもその壁を超えるチカラを持っていました。夢がただの夢ではなく、奇跡と呼ばれる夢の実現に向けて動き始める時はどこからともなく声が聞こえる? 羽目を外させるチカラのある声を聞いたレイは羽目を外して世捨て人だったテレンス・マンを探し出します。この世を捨てた(この世に絶望した)テレンス・マンはトウモロコシ畑に住むユーレイたちに招待され、トウモロコシ畑の中に消えました。

     

    ラストは自分(レイ)より若い父親と対面し、生きている時にはできなかったキャッチボールをするシーン。レイの心に常に存在していたレイの父との夢が叶った瞬間!
    何気ない出来事が父と子の間には必要ってことでしょうね。後悔の気持ちを募らせていたレイは謎の声に操れながら若い父ジョン・キンセラに出会うことができました。
    トウモロコシ畑をぶっ壊してつくった広いフィールドは夢を追い続けたレイの夢を実現させた場所。変人扱いされながらも諦めなかったレイの破壊力が功を奏したといえそうです。


    * 監督 フィル・アルデン・ロビンソン   * 1989年 作品

    * 出演 ケヴィン・コスナー  バート・ランカスター  エイミー・マディガン

    ★ 人間の背丈ぐらいにまで直立して成長するトウモロコシ畑(cornfield)がユーレイの住み処?

              フィールド・オブ・ドリームス 予告編

    縁の下の力持ち

    • 2009.06.21 Sunday
    • 22:23
                      

    天孫・ニニギノミコトの妻コノハナサクヤヒメは火中出産をやり遂げ三人の男の子をこの世に誕生させました。長男と三男が有名な海幸彦と山幸彦ですが、真ん中の男の子(火須勢理命)に関する話題はありません。敢えて不自然な話の展開で読者に考えるチカラを求める記紀神話は自由な発想で神秘世界の扉を開けることができます。
    自分が想像する世界が自分自身の創造につながり、自分が知らない自分に出会えるのも記紀が伝える話を想像する時ではないかと思います。史実のようなフィクションで不自然極まりない話が展開する記紀の中から今回は“天忍人命”を取り上げました。

     
    主役を演じた有名な人物ではありませんが、この天忍人のおかげで神武天皇のパパが無事に生まれたという縁の下の力持ちが天忍人命。神武天皇のパパすなわち山幸彦の息子が“ウガヤフキアアエズノミコト”で母親が海神の娘・豊玉姫。父の愛は山よりも高く母の愛は海よりも深い高低差のあるある両親のもと誕生したのが別名を持たないウガヤくん。三年という年月を海底(竜宮)で過ごした山幸彦は自分の故郷に戻ろうしていた矢先、妊娠を確認した豊玉姫が旦那を追いかけ着いた場所が海と陸の境界であり接点でもある浜辺。

     
    豊玉姫が出産するためまずビーチに産屋を建てることから始まりました。しかし豊玉姫の早急な出産で産屋の屋根が完全に鵜の羽根で葺き終わらないうちに生まれてしまったことからウガヤフキアエズ(鵜茅葺き合えず)という風に名付けられたウガヤくん。産屋の屋根が完成しない状態で慌ただしく出産してしまった豊玉姫は当初難産で苦しんでいました。その難産の原因と考えられるのが多くの蟹の産屋侵入。日向三代の三番目になるウガヤくんを蟹の侵入から守り無事誕生させたのが産屋を掃除した天忍人命。

    山幸彦の山の血と豊玉姫の海の血が交り合ってこの世に生を受けたウガヤくんは母親が必死になって浜辺(異国)に上陸した結果の賜物だと思います。しかし蟹は海でも陸地でも生きていける中途半端な生き物なのでその中途半端さを掃き清める必要があったのではないかと考えます。ママの豊玉姫は危険を冒して異国に侵入し無事山幸彦の子を誕生させました。表のストーリーに登場することは少なく名前も余り知られていませんが、難産で苦しんでいた豊玉姫を出産に導いたのが箒を自ら作って掃き清めた天忍人命。


    また胎児が出産後に排出する胎便をカニクソまたはカニババと呼んでいることから想像すると、
    ウガヤくんのカニクソを掃除したのも天忍人命であるように思います。
    自分が舞台に出て主役を演じるようなタイプではありませんが、誰かの役に立つ裏方の仕事をこなす人物が天忍人命に近いような感じ。人を押しのけ蹴散らしてでもトップに立ちたい人が多いなかで、天忍人命に守られ誕生したウガヤくんは一人っ子だったので押しのける相手もなくのんびり育ったように感じます。


    自分の手で作った箒を持って出産に立ち会い産屋をキレイに掃除する役目の天忍人がいてくれたおかげで
    豊玉姫は境界線となった浜辺で我が子を生み出すことができたのでしょう。しかし自分の手で育てることができなかった無念さを思うと切ないですが、豊玉姫の子・ウガヤくんは叔母になる玉依姫に育てられ、自分を育ててくれたこの姫と結婚という経緯をたどります。父親のように争ったという話は全く伝わっていないノンビリ派のウガヤくんがママの妹と結婚して生まれてきたのが日向から東征を開始する後の神武天皇(末っ子)を含む4人の男の子。山幸彦とウガヤくん ウガヤくんと4人の男の子、それそれ父と子は異なるタイプとなって出現することが多いのでは・・


    安産祈願で有名な“加守(掃守)神社”に祀られている天忍人命が登場する話はコレぐらいで、
    蟹守の役目を担った天忍人に守られ生まれてきた日向三代目のウガヤくんも近親結婚をしたこと以外に目立った話はありません。目立つのは二代目・山幸彦(三人兄弟の末っ子)と四代目・神武天皇(四人兄弟の末っ子)。その目立ち方はどちらかといえば闘いを好み頂点を極めたいタイプのような・・天忍人に守られ誕生した三代目ウガヤくんとはまるで異なる男性要素を持っているように感じます。日本は古代から陽数(奇数)が尊重されてきた国なので三代目ウガヤフキアエズ的男性が本来の日本男児? そんなウガヤくん誕生に貢献したのがキレイ好きな縁の下の力持ち“天忍人命”でした。 

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