小学校を卒業した12歳の少年4人が体験した、夏の冒険を描いた映画。 今では作家になり妻も子もいる主人公ゴーディが、12歳の頃の記憶をたどって昔の自分と昔の友達に会いにいきます。 その夏の体験を最後に その後ほとんど顔を合わすことがなかった少年時代の友人ですが、記憶は鮮烈に残り続けた輝ける二日間。
1959年 オレゴン州の小さな町キャッスルロック・・ 住人も少なく広々としたのんびりした田舎町が舞台。 4人の悪ガキ仲間が汽車にはねられたまま森の中に放置されている死体を探すため、線路伝いの冒険を決行します。 どうして死体を探すかというと発見して有名になってテレビに出るため。 しかしテレビ出演以上の大きなひと夏の体験を、彼らはすることになりました。
ゴーディの家族は父と母そして兄の4人家族だったのに、事故で長男を失った両親は そのショックのあまりゴーディの心を置き去りにしたまま毎日が空しく過ぎていきました。 そんな環境に置かれていたゴーディは、自分の方が死ねばヨカッタという想いを胸に抱くようになっていきます。 フットボール選手だった兄はこの町でも有名で、両親にとっても兄は鼻が高い存在。
こうして知らず知らずのうちに心が傷だらけになっていたゴーディを、父のように母のようにそして彼女のように包み込もうとしたのが親友のクリス。 彼の家は貧しくクリス自身も十分な愛情を注いでもらっていたわけではなかったのに、彼は他のメンバー全員のママのように面倒をみます。 根っから優しいタイプがクリス。 それに対して、彼ら4人より年上の兄貴分のグループの男たちは騒々しいし荒々しい。 男によくあるタイプの高圧的なイヤな野郎です。
ワンパク4人は自分たちの世界を楽しくするコツをわきまえていて会話が楽しいし笑える。 スラングバンバンなのにイキイキした空気の中で生きている彼らの開放感がいい。
子供時代は仕事上の気を使う会話をしなくてもいいので、言いたい放題、見たい放題!
川に架かる鉄橋で四つん這いになって進んでいた、太っちょのバーンに向かってゴーディが叫びます。 「死ぬ気か! 立って走れ〜」 のシーンはオモシロカッタ。
そんな見たい世界が腐乱した死体? 好奇心で動かされた4人は、近道のため沼に入ります。 思いのほか 浅かった沼にいたのは雌雄同体の血を吸う蛭。 蛭にカラダじゅう吸い付かれた彼らの表情とシグサは、心地良い笑いになって観る者を楽しませてくれました。
強烈な体験ほど心に残るので、少年・少女期の冒険はやはりあったほうがいいと思います。 大人になると何やらワケもなく忙しい毎日で、冒険という言葉すら使わなくなるのが現実。
森の中で一夜を過ごすことになったゴーディが創った大食い競争の話が映像になって展開します。 口の中から飛び出す反吐・・
参加者も観ていた人も全員反吐だらけ。 (バッチイ!)
不安な夜を過ごすのにピッタリの意味のない汚い話。 (オウェッ!)
大人のツマラン仕事の話よりナンボカ楽しい。 (ホント!)
映画の終了と同時に流れ出すベン・E・キングの “スタンド・バイ・ミー”。
Daring (友) に呼びかけている言葉が、 “Stand by me (僕のそばにいて) ”。
友人とはある面、恋人や夫婦以上に愛しい存在なのかもしれません。 ゴーディにとってダーリンのような存在だったクリスは、すでにこの世にいなくなってしまったけれど 心に中のクリスは自分のすぐそばにいて自分をいつも守ってくれる愛しい親友。
* 監督 ロブ・ライナー * 1986年 作品
* 出演 ウィル・ウィートン リヴァー・フェニックス コリー・フェルドマン
森の中で夜明けに出会った鹿はゴーディと鹿だけの秘密のまま・・ コンニチに至っています。