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- 2022.04.05 Tuesday
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不倫関係にあった大人の男女が愛を優先させたが故に、邪魔者が消されることになる映。その邪魔者扱いされたのが女フロランスの旦那で会社社長でもあったカララ氏。
そして邪魔者消滅実行犯がフロランスの愛人であり、カララ氏が信頼を寄せ片腕のように仕事をこなしていたジュリアン。社長夫人と社長の間で板挟みにならなかったジュリアンは仕事より愛に重きを置くタイプ。彼がもし仕事を優先させるか、板挟みに苦しむタイプならこんな発想(邪魔者を消す)はしなかったはず。盲目の恋の暴走は誰にも止めることができず、さらに若い男女がその暴走を加速させていきます。
ルイ・マル(当時25歳)の処女作品として有名なこの映画・・初めて観ました。退廃的ムードをかもし出すマイルス・デイビスのトランペットの響きはまさに閉塞感の象徴? ジャズといえば煙草ムンムンのイメージで、爽やかな高原シーンから始まるサウンド・オブ・ミュージックと対極に位置するけだるい音楽が使われています。輝く青空の先にある自由を求めても時間に流され腐敗してしまうのがこの世の原点であるなら、この閉塞状況から脱出しなければいけないと考えたのが盲目同士の社長夫人とその愛人。自分たちの幸せ以外何も見えなくなっていた孤独な二人に用意されていたのはさらに深い孤独で、愛の確認は孤独の確認のようなもの?
その途中で関わってくるのがジュリアンのスポーツカーを盗んで高速道路を突っ走る若い男ルイ。世間にも多いタイプの若者で、スピードに興じることが好きなルイは人の言葉にすぐにきれますそしてルイが運転する車に同乗する女性も彼に輪をかけたチャランポランで、口では「そんなことをしてはダメ」とか言いつつヤッテルことは出鱈目。こんな連中が社会に野放しにされていること自体が危険なことで、運が悪いと彼らの出鱈目行動に人生をかき回されることに・・“人を見たら泥棒と思え”という格言を改めて心に刻んだ次第。
* 監督 ルイ・マル * 1957年(仏)作品
* 出演 ジャンヌ・モロー モーリス・ロネ
★ スパイが使いそうなジュリアンの持ち物(小型カメラ)に写っていた二人を撮ったのは誰?