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月と桂の親密さ

              

山城国風土記によると、月読命が天照大神の命令で葦原中ッ国の住人である保食神(うけもちのかみ)を訪ねるため高天原から降りていったとき “湯津桂”に寄りかかっていたと記されています。 山幸彦が海底の宮殿を訪問したときも 海神の家の門に立つ桂の木に寄りかかって立っていました。 月読命と山幸彦に共通することは真っ直ぐに立てない・・表現を変えると何かに寄りかかりたい! 一人ぼっちはイヤなんですという甘えっ子タイプの男かもしくは自立できない依存男?

かつてスサノオノミコトが青山を枯山にし、河海の水が乾上がるぐらいに泣き続けていた時がありました。 樹木に覆われた山が枯山になるぐらいだから 水はけがいい砂のような土だったのかな・・だから水をため込むことができずに樹木が枯れてしまったということは考えられます。 しかし山は通常 岩や粘土質の土で構成されているので水を溜め込みやすく木々も十分に生育するはずなのにね。

ココで紹介する桂の木。この木は水を大量に求める特性があり、根元から水が湧き出ることもあります。 それだけ目に見えていない地下深くまで根を張り 水を掻き集めているのかもしれません。 中国の古い伝承にこんな話があります。 

『仙人になる修行の途中 過ちを犯して月に追放された男がその月で与えられた仕事は桂の大木を切り倒すこと。でもその桂の木は切っても切っても また生えてきたので いつまでたっても桂の木を切り倒すことができなかった』という話。 中国では桂は月にしかない木と考えられ“月”そのものを“桂”と呼ぶこともあります。

月読命に食べ物をもてなすため保食神は首を自由自在に回転させてイロイロな食べ物を口から吐き出しました。 陸地を向いてご飯 海を向いて魚 山を向いて獣を月読命に提供しました。 カラダはそのままで首だけを動かしてそれぞれ陸・海・山に向き合いました。 想像するとちょっと不気味! このようにクルクル首を回転させて食べ物を月読命に差し出したのが月読命を受け持つ保食神。 

しかし “口から吐くとはキタナイ!” と月読命は保食神を斬り その斬られた保食神の屍体からは多くのモノ(牛馬・粟・蚕・稗・稲・麦・小豆・大豆)が生じました。 かつて迦具土神やイザナミノミコトの屍体からもたくさんの神が生み出されていました。
       
どれだけ切ってもまた生えてくる桂の木は枯れることはなく とても頼り甲斐がある木といえます。 月読命も山幸彦もつい寄りかかりたくなってしまうのでしょう。 しかし仙人になろうとしていた男にとってはシンドサだけを与えられた木が桂の木。 月と桂が親密な関係を築くためには修業は必要ないということですね。

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  • 2018.10.19 Friday
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