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- 2022.04.05 Tuesday
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“ことの終わり”のコトとは人妻サラと夫ヘンリーそしてサラの愛人ベンドリックスの愛憎が絡む三角関係のこと。三角形を形成する三人にもう一人存在感があるようなないような人物が加わり、戦時下(1940年代)のロンドンを舞台に愛を貫こうとする女性サラの物語。作家ベンドリックスのサラに対する愛と憎しみをベースにした物語ですが、映像が与える印象はズバリ!愛情より愛欲に溺れサラの肉体に執着する男がベンドリックスのような感じ。
特にサラの愛人という立場に置かれていたベンドリックスは彼女をホントに愛しているのか疑問です。また夫と愛人の男二人の間を行ったり来たりするサラは一見悪女風ですが、ベンドリックスの独占欲とセックスが絡むエゴ愛とは全く違う深い包容力を心の奥に秘めていました。しかし彼女にはヘンリーという夫がいたことを考えると裏切り行為以外の何物でもない。そんな三人に関わってくるのが正体不明の第三の男。
原作は英国作家グレアム・グリーン(1904〜1991)で映画化もされた“第三の男”の原作者でもあります。 またまた今回も登場するのが三角形を形成する三人とは違う立場にいる第三者? この第三者には誰も抵抗することができません。信じる人には存在感がある人物で、信じない人にはどうでもいい関係のない第三者。サラはその人物を信じ、ベンドリックスはその人物に抵抗します。
自ら「愛人向きではない」とサラに言っていたのがヘンリーで、自分の妻サラと自分の友人ベンドリックスのただならぬ関係に気付きながらも波を荒立たせるようなことはしない。彼は真面目な旦那さんなのですが、妻サラは彼だけに満足できず肉体も言葉も激しい愛人に惹かれ始めます。そういう面ではベンドリックスは愛人向き?
そして二人の男の間で揺れるサラはいったい何がしたいのか。
サラの心が自分に向いていないことを知り雨の中を彷徨うのがヘンリー。妻を責めるようなことはせず、一人悩んでいる彼は優しい半面優柔不断。一方のベンドリックスは夫の元に帰ろうとするサラを信じることができなくなり、探偵を雇ってサラの行動を監視。このことだけでもベンドリックスの愛は失格! まだヘンリーの愛の方がサラを見守るという点で納得できるけれど、サラの心はヘンリーにはなさそう。世間を騒がせる事件が現実に起こっているように三角関係はやはり危険!
揺れるサラの心は戦争の爆撃でベンドリックスの死を確認した時に強固なものに変わります。見えない大きな存在に向かって一人祈りを捧げていたサラが振り返るとそこにベンドリックスが・・もし彼を生き返らせてくれるなら一生彼と会わなくてもいいという誓いを立てて神に祈りました。その直後、彼女の願いは誰かに伝わりサラは何も知らないベンドリックスから身を引くことになります。
* 監督 ニール・ジョーダン * 1999年 作品
* 出演 レイフ・ファインズ ジュリアン・ムーア スティーヴン・レイ
★ 男の見掛け倒しの愛より娼婦的に見えたサラの愛が一番キレイだった。
YouTube - End of the Affair Theatrical Trailer
ツルハシを持って穴を掘る囚人が映像化されることが多いのが映画の世界。 そんなオープニングで幕が開くこの映画の主人公は刑務所に服役中の囚人・ネッド&ジム。鎖で足をつながれた二人は離れたくても離れることができない腐れ縁関係の男と男。タイプが異なる二人は塀の中でも塀の外でも常に一緒に行動していました。
塀の中の二人は従順ではありません。 看守の命令に従わなかった彼らはドサクサに紛れて死刑執行時に死刑囚と一緒に脱獄してしまします。 二度と元の場所に戻りたくなかった二人を応援したのが巡り合わせた偶然のタマタマ!
この先どうなるか分からないまま森の中で一夜を明かした二人は、この町の教会が待っていた二人の神父に勘違いされてドタバタ喜劇が始まります。ビクビクしながらも偶然に身を委ね、過去の自分から新たな自分を創造する映画という風にも感じます。
腐れ縁で悪に染まっていた二人は鎖を断ち切り、最終的にそれぞれが目指す道を見つける過程がオモシロイ。
映画に限らず断ち切りたい縁を引きずることでいつまでも不幸に見舞われることがあるように、絡まる縁を一度は断ち切ることが必要なのがこの世のシステム。相棒関係にあった囚人のネッドとジムは、今まで触れたことのない修道院生活が始まります。
町の人々は神父というだけで崇め奉る空気がある中、一人で聾唖の娘を育てていたのが神より金を信じていたモリーという女性。 5ドルで男に身を任す彼女は信仰も神の教えもすべて信じない女。 でも5ドルは安すぎると思うけどネ。 しかし娘を育てていくには愛情よりまずお金という彼女の判断は正解だと思う。 “同情するなら金をくれ!”という言葉を思い出しました。
教会でいつの間にかブラウン神父という名前と職業にされてしまったのがジム。
教会内部でブラウン神父と呼ばれているいるうちに、いつしかジムはブラウン神父そのもののように聴衆を前にして説教するブラウン神父になっていました。 ヘブライ人の手紙をたまたま覚えていたジムが神父に間違えられ、しだいに囚人から神父らしくなっていったのがジム。
一方 俗世間の垢にドップリつかっているのがネッド。 自分が今いる場所と隣国カナダの間を流れる川に架かる橋を渡れば自由の身。 何度も国境越えに挑戦しますが、寸前でその願いは見事に破綻! しかし最後に聾唖の女の子を助けるため急流の川に飛び込んだネッドを助けたのが涙の聖母。
奇跡と呼ばれる出来事を国境になっていた橋の上で示したネッドに心惹かれるようになったモリー。 橋の上でジムは自分を神父と認めてくれた教会に戻り、ネッドはモリーと一緒に橋を渡っていいところへ・・こうして長く続いた腐れ縁は断ち切られました。 神父の服を着ても全く神父に染まらなかったネッドと神を信じなかったモリーは奇跡を体験し、独力で橋を渡ることができました。
* 監督 ニール・ジョーダン * 1989年 作品
* 出演 ロバート・デ・ニーロ ショーン・ペン デミ・ムーア
☆ 天使が登場しないこの映画で、洗濯バサミのついた服を着ていたジムに何の不信も示さず自ら洗濯バサミを後ろ襟につけた女性的男性が一番天使に近かった。