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  • 2017.10.26 Thursday
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パラドールにかかる月

         


南米のどこかに設定された架空の独裁国家パラドールを舞台に
不可能な夢を現実に体験し主役を演じた映画俳優の夢物語。銀幕の中ではイマイチだった俳優ジャック・ノアは独裁者(シムス大統領)と瓜二つだったことで、突然死んだ大統領を演じる羽目に・・ そしてその役を強引に与えたのが結果的にシムスを死に追いやったロベルト総督。シムスの直接の死因は心臓発作・・ しかしその直前ロベルトはある女と結婚したいと言っていた彼を怒鳴りつけています。その異様な雰囲気に息が詰まり、そのまま死んでしまったのが操り人形としてパラドールの大統領をこなしていたシムス。絶対的権力の継続を求めるロベルトとそれを拒否するジャック。“演じなければお前を殺す”と脅かされたジャックはロベルトの指示に従いその指名(使命)を引き受けることに・・ 

 
独裁国家パラドールの実際の権力者は民衆の前では喋らないロベルト。初めはシムスと同じように総督の言いなりで大統領を演じていたジャック。ところがスピーチを繰り返しているうち自分で自分が演じる独裁者に酔い始め、ドンドン独裁者らしくなっていくのがオモシロイ。勝手に独裁者を演じ始めた偽独裁者に苛立ち始めるのが裏で政治を牛耳っていた黒幕的存在ロベルト。夢物語の中身はいかにも現実っぽい感じで、独裁者を使って民衆を操るのもロベルトの仕事のよう。また彼は突然死んだシムスの遺体を解体した牛の冷凍庫に保存していました。その後、使い捨てにされた前大統領に変わって牛の冷凍庫から登場するのがシムスに変装した二流俳優ジャック。大統領に扮した彼の職業が俳優だったというのは興味深い。
    
                

日本ではビデオのみでDVDになっていないポール・マザースキー(1930年生まれ)監督の佳作で、" ハリーとトント”や“敵・ある愛の物語”など他にもいい作品が多いのに日本では余り注目されていない。また俳優でもあったマザースキーはシムスのママ役でこの映画に出演しています。女装好きだったのか、舞台で♪リリーマルレーン♪を歌った変な女性もマザースキーっぽい感じ。どちらも男マルワカリの変なおばちゃんで、妙に脳に焼き付いて離れない! シムスになりきっていたジャックをママは偽者だと見破ることができたのかどうか・・ その点、大統領の使用人はみんな偽者だと分かったうえで口をつぐんでいました。相手がホンモノであろうがなかろうが、自分たちの仕事の方が大事。

 
国名になっているパラドールとはスペイン語で頑丈な石造りの古城を表す言葉ですが、映画の舞台になったパラドールは歌と祭りが好きなラテンの国。トップにいた独裁者のせいで国民は虐げられた生活を送っていたかというとそうでもなく、最終的に裏で支配していたロベルトを民衆が殺すことで、この国の民衆は自由を手に入れます。それと同時にジャックはこの国から脱出し、自分の故郷(ニューヨーク)に戻るという筋書き。その後、パラドールの大統領に就任するのが偽者ジャックの手となり足となってフォローしていたマドンナ。元々はシムスの愛人だったけれど、偽者シムスとも愛し合うようになっていきます。大統領になる器だったマドンナは独裁者がお好き?
          

ジャックが独裁者の代役を演じ続けて一年が経ち、再びカーニバルの日を迎えます。
シムスの友人として招かれていたサミー・デイヴィスJr.の一年前の歌が♪ビギン・ザ・ビギン(Begin the Beguine)♪ビギンを始めようという意味の歌で、マルティニク(カリブ海に浮かぶ西インド諸島の一島)のダンス音楽が『Beguine』。そしてそれから一年後のカーニバルでサミーが歌ったのがパラドールの国歌(ベサメ・ムーチョのメロディ)。マザースキーが女装した何でもありの映画の中には何でもありの替え歌が挿入されていました。何でもありの映画は必ず終りがあり、何でもありの夢も必ず終わる。しかし何でもありをヨシとしない厳しい現実は終りが見えない。   

             
映画という虚構の中で主人公の俳優が演じることになるのが大統領という役。その役を終え故郷に戻るためには自分が誰かに殺されなければいけなかったようで、そんな彼の殺害を受け持ったのが映画で爆破を担当していたクリント。秘密の天国にたとえられたパラドールで過ごした時間はジャックにとってもマドンナにとっても現実逃避の夢時間。いつまでも夢を見続けるわけにはいかなかった二人は別れを決意し、それぞれの道を歩み始めます。テレビに映るマドンナはこれからのパラドールを背負って立つ大統領。パラドールにかかる月をバックに抱擁して別れたジャックとマドンナは不可能な夢を確かに見たんだろうと思う。夢から覚めた二人を待ち受けていたのが次の仕事。生きている間はなかなか落ち着けないのが現実かな。

* 監督 ポール・マザースキー   * 1988年(米)作品

* 出演 リチャード・ドレイファス  ラウル・ジュリア  ソニア・ブラガ

★ 時の経過に屈しない深い内容の映画。


ボブ&キャロル&テッド&アリス

男女4人の名前が “&(と)” で
連なっているもしくは隔たっているタイトルは、
何となく不思議な気がします。
ボブ&キャロル夫婦は、
上辺だけの夫婦ではない深い心の交流を求めて
山深い場所にある温泉施設を訪れました。

そこでは、現在の自分に納得がいかない人たちの
セラピーが行われていて 自分と他人の関係を
もっと深くしたいと思っている人たちが参加していました。

セラピストの言葉を借りると、「相手の目を睨むぐらい見つめること」から心の交流が始まるとのこと・・ しかし電車の中などで、見ず知らずの人の目を見つめたりすると変な勘違いをされるので 目を見つめることは危険な要素も含んでいます。
                   
目にはたくさんの諺があり、何かを探し求めるときは “目を皿にする” ぐらい丸く見開きます。 ビックリした時は目を白黒させるし、怒り心頭のときは目が三角になるというように言います。 それぐらい目は心の内面を映し出すので、相手に後ろめたい思いがあれば つい相手の目をそらしてしまいます。

ひどい目にあったり、馬鹿な目を見てしまったり 目を奪われるほどに美しい女性に遭遇したり、目を覆いたくなる事件に巻き込まれたりいろいろな目に会います。

  山中の研修課題は、自分を隠さず
  すべてをさらけ出すことでした。
  そこでボブは妻に浮気をさらけ出しました。 
  初めは納得がいかなかったキャロルは、
  友人のテッド&アリスにそのことを打ち明け、
  吐き気を催したのがアリス。
  彼女は何故かボブの浮気にショックを受けたようで、
                       かなり取り乱していました。

よそのダンナなんだからどうでもいいように思うけれど、彼女の精神は大波小波が寄せては返しているようです。 心療内科のドクターに自分の心を打ち明けている時に、テッドとボブを間違って発言。 ドクターの指摘で、思わずビックリして目が泳いでいるアリス。 人間の無意識状態はかなりオモシロイ!

最終的にボブの妻が浮気したことがテッドとアリスに伝わり、当の本人(ボブとキャロル)たちは全く平気なのに、うろたえているのは又してもアリス。 そんなアリスに夫のテッドが浮気を告白。 どうでもよくなった感じのアリスが提案したのは夫婦交換でした。

微妙な空気のもとで、相手をチェンジして実践された愛情表現。 特に男二人が目を白黒させていたのが笑えます。 タイトルの名前の端にボブとアリスが位置していて、BとAは&でつながなくても隣り合っていました。

* 監督 ポール・マザースキー     * 1969年 作品
* 出演 ナタリー・ウッド  ロバート・カルプ  エリオット・グールド  ダイアン・キャノン

ハート大小 俳優もこなすポール・マザースキー監督が初めて創った映画です。

結婚記念日

同棲期間も含めた17回目の結婚記念日に、
とりあえずセックスをしてから車で混み合う
モールへ出かけた夫婦のニックとデボラ。
とにかく二人ともよく喋ります。 

二人に限らず、駐車場スペースを待つ間も 
車に備え付けられた電話で人は話し続けています。
当時は携帯電話が普及していなかったので、
ウルサイ会話は街中にまでは広がっていなかったけれど・・その駐車場待ちの人たちの中には日本人も含まれていて、日本と米国の深いかかわりを感じないわけにはいきません。

そんな人混みで溢れるモールの中を、身振り手振りだけで何も喋らずにウロツイテいる人物は何者? 音楽を演奏している人たちの所に寄っていって一緒に踊ったり、デボラとニックが派手な夫婦喧嘩をしている時にも 後ろから覗きこむように興味をもって彼らを見ていました。

彼は面白そうなトコロに寄っていく傾向があるようで、顔と手だけが白く他はすべて黒色の上下服と黒い帽子をかぶっていました。 気に入った人の後ろで猿まねのようなことをしているパントマイム系の男が、この映画の主人公かも・・ 言葉なしで何かを伝えることは難しいはずだけれど、彼はアチコチの人の真似をしながら楽しんでいました。

  デボラとニックは、結婚記念日を祝うための
  プレゼント交換をするために
  モールにやってきました。 
  そこで目にしたのは、妻のデボラが書いた
  夫婦を長く保つための方法を解説した本。 
  その直後に、夫のニックが妻に
  過去の浮気を打ち明けました。 

事態は急変して 結婚記念日を祝うはずの楽しい時間が離婚話になり、財産分与のことや弁護士にかかる費用などを 話し合っている二人・・いずれにしても話は絶えません。

デボラの本によると、人の寿命が延びたので夫婦を長く維持していくためには いくつもの再出発が必要だということが書かれていました。 御破算を何度も繰り返すことで、ホンモノの夫婦になれるのかもしれません。 その計画通り、互いにイイ状態を壊しては仲直りするという、幾分 偏執的性癖がある二人です。
       
交通事故に遭遇する危険性がないモールで、人の目を気にせずに泣き叫んだり抱きしめ合ったり・・ とにかく感情が爆発している似たもの夫婦。 そんな二人を気に入って、いつも背後から覗き込んで見ていたのが先の黒ずくめの男。 家の内でも外でも変わらずドタバタの二人は、これからも結婚記念日を更新できそうです。

* 監督 ポール・マザースキー     * 1990年 作品
* 出演 ベット・ミドラー   ウディ・アレン

祝 モール(mall)本来の意味は “遊歩道” ・・モール内は絶対に車が通らないので安心して歩けるのが人気の秘密かな。 

敵、ある愛の物語

              

一人の男に三人の女・・貞淑な新妻と情熱的な愛人 さらにナチに殺されたはずの元妻の出現。 男のハーマンは、ユダヤ人狩りの網をカイクグッテ隠れていた納屋にいるところを 匿われて命拾いをしたことがありました。 そんな彼を匿ったのがポーランド人のヤドウィカで、ハーマンはこのことが縁で彼女と結婚します。

またハーマンには、収容所からギリギリ生還できたユダヤ人のマーシャという愛人もいました。 そんな三角関係をウマク切り抜けていたハーマンの前に 突如 現れたのが彼の妻だったタマラ。 彼女はナチによる弾丸を二発も受けていたのに、死なずにこの世に戻ってきた強い女性でした。

優柔不断のハーマンに愛想が尽きていて、彼女は一人で生きていく覚悟をした逞しい女性です。 愛する我が子二人を失い自分一人が生き残ったことで、夜に悪夢でうなされることもしばしばありました。

それに引きかえハーマンは、三人の女を渡り歩いて一途な女心を乱します。
乱されたマーシャやヤドウィカはハーマンを責めるけれど、一人ハーマンの保護者のように支えようとしていた女性が元妻のタマラでした。 アンジェリカ・ヒューストンが扮していたタマラは、頼りがいがある母のような愛情で男を包み込むことができる女性でした。

ハーマンの言うことに素直に従って いつも部屋の掃除をしていたヤドウィカは、かつてはハーマンとタマラ夫婦の召使いとして働いていた女性。 一方 激しくハーマンの愛を求めるマーシャは、彼のノラリクラリが許せずぶつかり合いながらも ハーマンを求めずにはいられないような気性の女性。

それぞれ異なる三人の女性ではあるけれど、
女というものの内面には
このような要素がすべて含まれているように思います。

男になりきれていないハーマンは、
その時の気まぐれで女(タマラ)に甘えたり
女(マーシャ)を抱いたり
女(ヤドウィカ)を教育したりして 
それぞれの女を大切にしようとしながらも三人の女を振り回しています。

ハーマンのすべてを求めるマーシャは、生きることに疲れ果てて死を選びました。
ハーマンも自分の方向性を見つけることができないまま、行方不明! 
この世を生きるには、愛情に偏り過ぎるとよくないことをこの二人が示しています。
しかし、マーシャは自分らしく生きるためにこの世と決別しました。
生きることに絶望して自分を見失わないためには、死を選択するしかないマーシャの切なさも痛い!

収容所時代の辛い記憶に苦しめられていたハーマンは、母親のような大きな愛情を求めて 女から女に渡り歩いていくことでしかやっていけない 未熟な部分がありました。 虐殺されたと考えられていた元妻のタマラは、力強く生き残りハーマンを支える力になろうとしたけれど マーシャへの愛情が強かったハーマンもまた、自分の居場所を見つけることができなかったように思います。

死と隣り合った恐怖を体験したこの映画の登場人物は、過去の恐怖に怯えながらも生きようと頑張った人たちでした。 ヤドウィカが生んだハーマンの赤ん坊は、マーシャという名前が付けられました。 マーシャの生命を受け継ぐような赤ん坊を、ハーマンの新旧二人の妻で育んでいくことになりそうです。

乱れた人間関係だったにもかかわらず、女同志の憎しみや葛藤を超えた今 協力して赤ん坊をあやしているタマラとヤドウィカの姿は、過去の辛い体験があったからこそ たどり着けた美しさだと感じました。

* 監督 ポール・マザースキー     * 1989年 作品
* 出演 ロン・シルバー   アンジェリカ・ヒューストン   レナ・オリン

銃  日本ではあまり知られていないポール・マザースキー監督が、この映画に俳優としてもチョコット出て ナチという目に見えない敵に苦しめられた当時を生きた人たちの声を深い映像で伝えてくれました。

ハリーとトント


ハリーはアート・カーニー扮する老人の名前。 そして トントはハリーが飼い続けてきた猫の名前。 住み慣れた街ニューヨークのマンハッタンで暮らすハリーは、警察の突然の強制立ち退きを強いられ イヤイヤながら重い腰を上げました。

「私は苦痛が怖い。できればポックリ死にたい。苦しまずにな・・。」と言っていたハリーだけれど、たまたまの強制移動によって 自らの居場所を探し始めることになります。 住み慣れたマンハッタンで、ポックリ死ねなくなってしまったハリーの旅がこうして始まります。 
トントのために飛行機やバスは使わず一人一匹きりの旅で、しだいに 本来のハリーがフワフワしながらも強く動き始めます。

途中 息子や娘と久しぶりに会い、その後も年齢不詳の家出娘・娼婦・初恋の人・インチキマジナイシ風のインディアンなど多くの人がハリーに関わってきます。 でもいつも一緒で離れないのはネコ年齢でハリーと同い年くらいのトント。

 ネコは自由が好きで気まぐれでキレイ好き 
 で・・あまり誰かに養われることを好まない
 のが猫の特質。 
 しかしそのような特質にもかかわらず、トント 
 は最後までハリーと共に生活しました。
 ハリーの東から西に向かう合衆国横断の旅
 の最後で、トントの死を迎えます。 
 もうニューヨークには戻らないと言うハリー。 
 否応なしの年がいってからの旅の始まりだったけれど、求めていた場所はハリーにとって心地がいい西海岸の浜辺だったようです。 
少女がその砂浜で何かを作っています。 
間違いなく波が消してしまうはずなのに 少女はそんなことは気にせず作っているだけ・・

ハリーはきっとこんな少女のような生き方をしてきたんだろうと感じさせてくれました。

* 監督 ポール・マザースキー    * 1974年 作品
* 主演 アート・カーニー   トントという名のネコ

猫 あまり有名ではないけれど、猫ファンにはお勧めの心が穏やかになる映画です。

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