米国南部のアラバマ州・・
バス停のベンチに座っているフォレスト・ガンプは
バスに乗らずに話し続けています。
話す相手は変わっても彼の話はダラダラ続きます。
ガンプの話は面白いのでつい聴き入ってしまう人もいれば、自分の乗るバスが来るとサッサと乗る人など
バス停は、いろいろなタイプの人が それぞれ自分の目的地に行くためのバスを待っている場所です。
どこまでを信じればいいのか・・タワイのないガンプの話は相変わらず続きます。 話の内容は奇想天外で聴く者を退屈させず、彼の無垢な生き方はとても魅力的!
今ではもうこの世からいなくなってしまった米国大統領や、懐かしの70年代前後のヒット曲など 過ぎてしまった “とき” を思い出させてくれます。
そして今のいま フォレスト・ガンプは自分の生きてきたアリサマをどのバスにも乗らずに、誰にともなく語り続けています。
彼は幼い時から母の強い愛に育まれて成長した優しい子で、人の言うことをキチンと聞いて行動します。 子供の頃のガンプは背骨が曲がっていたので、治療のために足元から脚全体を覆う鉄のようなものを装着して歩いていました。 歩きにくいのに母に文句も言わずに健気に育った彼は、小学校のスクールバスで自分が座る席を確保してくれたジェニーと仲良くなり、豆と人参(?)の二人になりました。
そしてフォレストにとってはママのような存在のジェニーが言った 「走って!」 という言葉に従って走り続けました。 走って 走って 走って、気がつけば足に装着していた重いものはなくなり、ますます軽く走り続けることができるようになったフォレスト・ガンプ。 結果としてフォレストをランナーに育てたのはジェニーで、彼女は自分の家を嫌っていました。
5歳でママを失ったジェニーの家には飲んだくれの父親がジェニーにまとわりついていたようで、この家から離れたい彼女は 大学を中退し社会に出てからも自分の居場所が分からず もがき続けていました。
そして豆と人参コンビは社会に出てからも、互いに近付きながらも離れた生活が続きます。
ベトナム戦争に兵士として参加し、
自分の隊長だった人物の命も救いました。
戦争で一緒に戦った親友も助けようと
ジャングルの中を自分の得意な足で
走り続けました。
その話がウソかホントかはどうでもよくて、
フォレスト・ガンプが語るフォレスト・ガンプは
知能指数は人並みに達していなくても 人を引きつける何かを持っています。
伸び続ける髪の毛を切らず 汚く伸びたヒゲも剃らずに、アメリカ大陸を何度も東へ西へと行ったり来たり・・そして毛むぐじゃらになって疲れ果てたフォレストは、自分が安心して過ごすことができるホームを目指し始めます。
最後に到達するのは、幼い時からお互いに影響を与え続けたジェニーが住んでいる場所で、バスに乗る必要のない近くに住んでいるということを知り 自分の足で走って駆けつけます。
フォレスト・ガンプのママがいつも息子に読んで聞かせていた本に挟まれた白い鳥の羽根が大空高く舞い上がりました。 ママを失った我が子をバス停で見送るフォレスト・ガンプは、かつて自分のママがそうしてくれたように 優しく強い愛情でママとパパの役割を果たしていくと思います。
* 監督 ロバート・ゼメキス * 1994年 作品
* 出演 トム・ハンクス サリー・フィールド
一期一会という副題が付けられているように、フォレスト・ガンプに出会えた人はきっと楽しかっただろうな。