ゴミ・チリ・クズなど不用物のことをまとめて芥(あくた)と言います。 人間の汗や糞尿も芥のように汚物として処理されます。 また鉄を焼いて鍛える時、剥がれて落ちるクズのことを鼻クソみたいに “金クソ” とも・・この金クソは鉄サビの原因にもなるので、鉄の強度を保ったまま長い期間使用するためには金クソが多く取り除かれる・・すなわちそのクズの山と入れ替わりに品質のいい鉄が生まれます。
この例からも分かるように人のカラダも糞尿を搾り出すことで健康体を維持することができます。 ついでに精神面のイライラやモヤモヤやコテコテなども排出することで、毎日の心地よさを手にすることができそうです。
平安時代の歌物語で男女の情事ばかりを扱った作品が “伊勢物語” 作者は女の扱いがうまいプレイボーイの色男として名前が通っている在原業平らしき(?)人物という、何とも思わせぶりな風評・・しかし業平らしきでは誰か分からず伊勢物語の作者は不明! その伊勢物語にアクタという名が付けられた『芥川』のことが記されています。
芥川とは大阪府高槻市を流れる川で、本流の淀川に流れ込む支流の一つです。 またその川の沿岸一帯が芥川という地名にもなっていて そこに鬼が住んでいたという話になっています。 鬼って節分だけではなく 童話や伝説そして伊勢物語のような古典にも、意外に頻繁に出没する人気者ですね。
物語では、ある男が高貴な姫を盗み出し京の都から逃れ来て 芥川を越えた所で一夜を過ごしたことになっています。 ポイントは“芥川を越えた” “越えてはいけなかった芥川を越えた!” アクタにまみれなければいけなかったのに、それを越えてしまったことで鬼が出現したような表現です。
結局 何かの怒りに触れて夜明け寸前 鬼はその姫を食べてしまいました。 姫を盗んだ男はいったい何してるのん・・イライラ・・姫を守れ! 芥川を越えた姫は鬼によって赤ずきんのように食べられました。 鬼は狼のように、姫を待って食べる用意をしていたのかも・・芥川を越えたトコロで!
さてココで掃溜めにいた鶴を考えてみたいと思います。 カラスが得意とするゴミ漁りの場所に白い鶴がいるとやはり目立ちますね。 カラスは黒いから よけいに白い鶴を引き立ててしまいます。 “掃溜めに鶴” という言葉は、カラスに混じっていた鶴が今から飛び立とうとしているように感じられます。
人をとく 芥川てふ津の国の 名にはたがはぬ ものにぞありける
広辞苑に説明されている “掃き溜めに鶴” の意味は、つまらぬ所に優れたものが現れたタトエという風に書かれていました。 しかしその反対に、自分にとって不釣り合いな場所から飛び立とうとしている場合も考えられます。 “人をとく芥川” と詠まれた歌から想像すると、何かに縛られたようになっていた鶴が解き放たれたようにも感じます。
この歌の出典は“拾遺和歌集”で遺失物(忘れ物)から拾われた歌のひとつです。 人を解き放つカギはゴミ・チリ・クズが散乱する芥であり、アクタを越えると鶴になるのかも・・出すだけ出し切れば鶴になって掃溜めを離れることができるので、キレイを目指す人は体内毒素を出しましょう。 自分の体内に溜まったアクタを全部出し切れば、解放された強い自分を手にすることができそうです。
鉄の場合と同じように、アクタの山が高くなればなるほど自分のスリム化が達成できて
メタボリック症候群の克服につながると思うのですが・・ついでに自分の身にまとっているヨロイも脱ぎ捨てると、軽くなってキレイの階段を昇り始めることができると思います。 何といってもキレイが一番!