加理波夜須ホルトノキ

     日本名にしては不自然なホルトノキを調べていて行き着いたのが
         “比波預天神社(静岡県伊東市宇佐実留田)”。

   多くの巨木が生い茂るその境内にあるのが天然記念物指定のホルトノキ。 
祭神は耳慣れない“加理波夜須(かりはやす)多祁(たき)比波預(ひはよ)命”で

    カリハヤスを“刈り生やす”と見なしてホルトノキと結び付けると
           
都合よく祭神とホルトノキが一致する。

  紅くなった古い葉を落としながら常緑を維持するのがホルトノキの特徴で、
           
その精神はまさに自分で刈り生やす?

    さらにこの神社のホルトノキの神聖さを感じる現象が根上がり。

  地上から1メートル以上も根が上がり、その中は空洞になっているらしい。

          根国に棲むスサノオノミコトが地上に出現?

         空っぽパワーを秘めた比波預天神社のホルトノキ。

  如何にも外来種っぽい名前が付けられているけれど実は在来種かもしれない。

           真実の多くは現実と逆のことが多いから。                      

 

              比波預天神社のホルトノキ

 

室戸の森

       空あり海あり空海ありの室戸の森には物の怪が潜んでいる。
   
目に見えずとも肌で感じる物の怪の生みの親が絞め殺しの木と食えない芋。

    
    幹から気根を放出し岩でも木でもグルグル巻きにして絞め殺すアコウ。

     
           絞め殺しの森で共存するクワズイモ。

    
        気根を斜面(岩場?)に張り付け茎は真っ直ぐ上。

 

          人の手が加わった観葉植物のクワズイモや
     茎を食用にするため栽培されているクワズイモとは完全に違う。

      光を求め蛇のように気根を這わせることで自らの陣地を確保。

           絞め殺すアコウに食えないクワズイモ。

       野性のクワズイモの実体はアコウによく似た蛇だった。

          空と海しか見えない室戸の洞窟で修行し、

          空と海がすべてであることを知った空海。

       生きることに悩んだ時は室戸の森の戸を開けること。


紫陽花と蛍

      

         美しさに見とれてしまった日本原産の額紫陽花。

     キラキラした両性花も雨で滲んだような装飾花もどちらも絵になる。

 

       質問者 “紫陽花って挿し木で増やすことが多いけれど、

            紫陽花の花に種はできますか?“ 
       
回答者 “ハイ。発芽可能な種は10月以降にできます。”


          今まで紫陽花と種が結び付いたことはなく、
       
 今回どうして紫陽花の種が気になったかというと・・
          
死者に手向ける花が紫陽花だと知ったから。

 

 あぢさゐの 下葉にすだく 蛍をば 四ひらの数の 添ふかとぞ見る   定家 

                   

       梅雨時に咲く紫陽花の四ひらの数のガクの下で蛍が添う?

                 成虫になった蛍は蒸し暑い梅雨時に発生し、
         
お尻の光を放ってパートナーとめぐり合う。
           
与えられた命の時間は10日前後。

      力の限り乱舞する蛍の光の先にあるのが死という別れ。

  はかない命の蛍が安心できる場所は人目につかない紫陽花のガクの下。

        美しい滲みはそこに蛍の光があったから。

 

※ ♪蛍の光♪の原曲はスコットランド民謡“Auld Lang Syne(楽しかった昔)”


クワガタ虫

      
             腐ったビワの実に潜り込んでいたクワガタ虫。   
    
英語で“stag(雄鹿) beetle”と呼ばれる所以が目立つ二本の角。
          
しかし実際は角ではなく大アゴなんだって・・

   
           ビワの実を食べていた痕跡が残る大顎。

           アゴって口とセットになってるんだよね。

              この角みたいなヤツがアゴ?

              自然界は不思議で満ちている!

   
                 クワガタの口?

     
          トロトロした動きの割に闘争心は強いようで、

   目(どこにある?)の前で動くものはすべて敵と見なしているらしい。

     そんなクワガタ最大の敵が生息場所を取り上げ破壊したヒト。


木賊

        
                  竹でもないし土筆でもない。

   
            しかし先端部は土筆より筆っぽい。

 

           この直立不動の奇妙な植物は茎です。

             節の部分に見える黒いのが葉。

                   花は?

           まさかのまさかで筆みたいなやつが花。

             花の認識を変える必要がある!

              
               丸山応挙 『木賊に兎』

              
              歌川広重 『月下木賊に兎』

      

      兎のそばで描かれているのが羊歯植物に属する木賊(とくさ)。

      名前の由来は“とぐ(研ぐ・砥ぐ・磨ぐ)ことができる草”で、

        地下茎は横に広がり地上茎は写真のように直立します。

            月が故郷の兎と無性世代のトクサ。

           両者の共通する思いは原点に戻りたい!


犬枇杷

目立たない花を真冬に咲かす枇杷はバラ科ビワ属の常緑高木。ところが枇杷より劣るという理由で馬鹿にされた犬枇杷はクワ科イチジク属の落葉低木で、比較の対象になった枇杷との接点は何一つ確認できない。接点が認められるのは同じ属の無花果で漢字が示すように花咲かずして実をつける(ように見える)のが無花果と犬枇杷。しかし花は咲きます。それぞれの実(正しくは花嚢)の中で・・ 外部を遮断し受粉できない環境に置かれてしまう無花果の花(ツブツブのやつ)と犬枇杷の花。そんな彼らの受粉はどのように行われるのかというと、それぞれの実(花)の中に侵入する専属小蜂がいるんですね。無花果の専属コバチがイチジクコバチ、犬枇杷の専属コバチがイヌビワコバチ。シンプルな名前の専属コバチに宿(実の中に咲く花)を提供することで無花果と犬枇杷は受粉可能になるという何とも不思議で神秘的な仕掛けが両者の間に施されています。イチジクコバチは風土に適応できず日本に存在していないらしいが、日本在住のイヌビワコバチの方はイヌビワとの親密な関係を保っています。

   

           近くの山でたまたま知った犬枇杷の実。

     ネットで犬枇杷を調べていて知ったのが先の知ったかぶり記述。

       イヌビワコバチはイヌビワと出会うために生まれ、
           
イヌビワの花の中で最後を迎える?

      完熟の犬枇杷の実(黒っぽいやつ)はまさに自然の賜物。

    人の手が介入しない自然(イヌビワとイヌビワコバチの関係)が
  今もこうして息づき実を結ばせることに感動した犬枇杷との出会いでした。


一里塚

くたびれた やつが見つける 一里塚 (江戸川柳)

   一里塚とは街道沿いに築かれた塚(土を高く盛って築いた墓)のこと。
      くたびれ生き倒れになったかつての旅人の墓を目印に、
        そこで休憩したのが歩き疲れたさすらい人。
  方向が定まらない彼らに必要なのはママの子守唄と安心して休める場所。
    
そこで一里塚に植えられたのが旅人の背もたれとなれる大きな木。
      
地域によって植えられる木はマチマチだったようですが、
      
関東地方に多いのがニレ科の落葉高木エノキ(エとも)。

 

夏の木と書く“榎”は旅に疲れた旅人のために夏の日陰を提供することができました。朝日を浴びても夕日を浴びても大きな影ができてしまうクスノキは農業に携わる人たちの間で評判が悪く、結局切り倒され船の材として利用された話を思い出します。そのクスノキと同じグループに属しているのがエノキかな。喉が渇いてクタクタになった旅人がしばし休憩するのがエノキの木陰。左右対称になる葉(葉脈)が多い樹木の中でエノキの葉脈は左右非対称。またこの葉を好んで食べるのが国蝶に指定されているオオムラサキの幼虫らしい。子守唄が必要なさすらい人とエノキの出会いの背景にあったのがクタビレ(草臥)。

                   

       日本全国の街道沿いには“エ”以外の木も多く植えられ、

         高知県で断然多いのがセンダン(古名オウチ)。

   街道沿いでくたびれた旅人はこのオウチ(↓)を見つけ何を感じるのか。


     

            くたびれても歩き続けるしかない!

        それを教えてくれたのが旅人を癒し続けたオウチ。


ヨモギの紅葉

    
         ヨモギ(キク科)の葉の一部が紅葉していました。

    外から内に向かって紅くなるのがヨモギの色付き方(それも真冬)で、

             普通なら茶色く枯れてしまうはず。

            ところがヨモギは普通ではなかった!

         寒さに耐えきれず枯れるのが植物の一般とするなら

            ヨモギの場合は寒さに耐えきれず紅葉? 

                    

         虫の侵入を拒み邪気を祓うヨモギの香りはイイ。

      多くの種類が属するヨモギ属を英語でアルテミシアと呼び、

 ギリシア神話に登場するアポロンの妹(姉の場合も)アルテミスが名前の由来。

   双子(アポロン&アルテミス)の生みの親が鶉に変身したゼウスとレト。

        草原を住処にするキジ目キジ科の小さな鳥がウズラ。

     その鶉族から誕生したのがヨモギにかかわっているアルテミス。

  雑草扱いされているヨモギですが、そのルーツを知ると雑草扱いはできない。

           

         大仏に 草餅あげて 戻りけり     子規

 

            巨大な大仏に匹敵するのが草餅?

        今まで気付かなかったヨモギの紅葉から感じたのは
       
ただ座っているだけの大仏パワーより遥かに勝ってる。
    ヨモギを摘み、ヨモギを食べ、ヨモギの香りを部屋イッパイ漂わせ、
            一日の締めくくりはヨモギ風呂!


蘇鉄の実

 花と呼ぶにはふさわしくないような花(雄花・雌花)を咲かす蘇鉄はイチョウとともに氷河期を生き抜いた裸子植物で、精子を持つことでもイチョウと共通しています。また別々に咲く雄花と雌花のタイミングが一致し、うまく実を結ぶと流人の罪が赦されるという伝説を生んだのが二つの火山が合わさってできた八丈島。♂♀のタイミングが一致すると過去に犯した罪が赦される? そのシルシと見なされたのがかつて氷の世界を体験したことのあるソテツ。風土的には南国を好んでいそうなソテツですが、意外にも寒さは平気だったのかな。        

         

朝寒や 蘇鉄見にいく 妙国寺     子規
        
門に入れば 蘇鉄に蘭の におひ哉     芭蕉

二つの句に詠まれた蘇鉄に共通するのが俗界を離れ仏門に入って修行する場の寺。
また日本三大蘇鉄(天然記念物)というのがあって、その三大蘇鉄が生えているのもやはり寺(能満寺・龍華寺・妙国寺)。多分他にも大きな蘇鉄はあると思うんだけれど、指定されているのが俗世間と隔離された寺にある蘇鉄・・ ということで寒さに強い蘇鉄を寺に見にいったのが子規であり芭蕉。

    
         鏡川沿いの土手で見つけた実を結んだ蘇鉄。


        どういう理由でこのような現象になったのか・・         

     蘇鉄の幹は土手の下?
        
こんな状態でよく花が咲き実を結んだもんだ。
   
土の中に埋もれても窒息死せず葉をつけ花を咲かせ実を結んだ蘇鉄。
鉄(釘)をさされて復活する蘇鉄パワーの源はタイミング(♂♀)の完全なる一致。

 

  赦免花 冬の赤い実 待ち焦がれ 


イヌマキ

イヌという冠をかぶせられた樹木は大抵世間から非難を浴びています。その理由は冠を外した本来の樹木より劣っている(何が基準?)から。イヌガヤ・イヌザクラ・イヌビワ・イヌツゲ・イヌグス・イヌマキなどに加えて犬侍も・・ イヌマキは今で言うマキ(槙)のことで、昔は杉や檜をマキ(真木)と呼んでいました。真木にはなれないので犬マキ? 要するに人が活用するのに適していればOKって感じで、杉や檜のように建築材として使用できなかったのがイヌマキ。使い物になる杉や檜は真木と認め、使い物にならない槙を罵って命名したのがイヌマキ。槙は杉や檜のように家の柱(大黒柱)にはなれなかった?  

       
           イヌマキ(右)に絡み付いているクロガネモチ。

 

       大黒柱になれなかったイヌマキが真ん中でドデン!

  イヌマキの太い幹(左側)を宿にイヌマキと共生しているのがクスノキ。

        全く違うグループの樹木が仲良く成育しています。
     
人の役には立たなくても樹木間で頼りになるのがイヌマキ?
  
高知城散策途中に出会った心暖まる共生は動かない植物界に限ってのこと。

   

     真木柱 太き心は ありしかど この我が心 鎮めかねつも

 

     揺れ動く人の心は生きている限り安定することはないなあ・・

        そんなことを感じたイヌマキとの出会いでした。


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