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- 2022.04.05 Tuesday
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月も日も陽数の三で一致するのが桃の節句。女の子が今後幸せに成長できますように!との祈りを込めて祝う祭りが桃の節句で、陰数(偶数)を示す女の子が陽数になることを願って設定されたようにも感じる三月三日。桃の花が定番の雛祭りで飲むと百病を除くとされたのが桃の花を浸した桃の酒。
三が重なる桃の節句が女の子の祭り、そして五が重なる端午の節句が男の子の祭り。
日本はやはり陽数を重んじる国のようで、陰数は祭りに合わない? 相反する陰陽の世界で構成されているのがこの世ですが、神が関わる祭りの世界にふさわしくないのが陰陽和合で、陰陽より陽陽を好むのが神?
黄泉国からこの世に逃走したイザナギノミコトが黄泉醜女に投げつけたのが桃の実でした。黄泉国とこの世の境界になっていた黄泉比良坂に生えていたのが桃の木で、イザナギノミコトを追いかけて来た黄泉醜女はこの桃の実を見て退散するという話のキーワードになっていたのが桃。黄泉国在住の女性は桃を嫌っています。
桃という漢字はキヘンに兆というツクリで構成されています。この“兆”というキザシは妊娠の兆しを意味する漢字で、妊娠する兆しのある木ということから女の子の祭りに重要な役割を果たすようになったとか。ということは桃に反応した黄泉醜女は妊娠したくない女の象徴? この世で妊娠するには陰陽和合が求められますが、神が好むのは陽陽和合。陰数を示す女の子の祭りに陽数の三が重なるのはヨーヨー好きの神の意志?
6月最終日の明日、高知県のいくつかの神社(全国の多くの神社も)で“輪ぬけ祭”が開催されます。地域によっては7月末日に実施されるようですが、高知県では丁度一年の半分が過ぎた6月30日が開催日。“夏越(なごし)祭り”という名前でも呼ばれるこの祭りは夏バテしないよう厄を落とす(?)ことを目的に大きな輪を潜り抜けます。
夏バテと厄を落とすことのつながりがイマイチ分かりにくい(エスマルだけ?)ですが、夏を乗り切るためには厄祓いが大事! そしていつの間にかくっ付いてしまう厄を払うためのアクションが俗世間と神の世界を隔てる大きな輪を抜けること。
“いのの大国さま”と親しみを込めて呼ばれる神社が高知県いの町にあり、この神社でも明日輪ぬけ祭が行われます。正確な神社名は“椙本(すぎもと)神社”で神紋は重ならない三つの輪(下の写真)。ルーツは三つの輪が象徴しているように奈良県桜井市にある大鳥居で有名な大神神社(三輪神社)にあり、祭神は大神神社と同じ“大物主神”。海の遥か彼方から日本にやってきた異国の神・大物主神を祀る神社で行われる輪ぬけ祭は大物主神に近付くための祭りのような気もします。
一年の半分はコッチ、そして一年の残り半分はアッチという風に考えるとコッチ側の嫌な厄を捨てアッチ側にある好きな役に就くことが可能な日が明日ということ?
蒸し蒸しした梅雨空で虫が発生しやすい時節、虫に好かれないよう清潔に心がけて輪ぬけを実施しましょう。
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大和神社(奈良県)の茅の輪