イヴの本性

食べても触れても死ぬと警告されていた知恵の木の実を
何故イヴは食べたのか?
   
美味しそうに見えたその木の実はイヴにとって魅力があった。
さらに野のすべての生きもののうちで
最も賢い(この段階ではまだ呪われていない)蛇が
食べれば賢くなると言ったことでイヴの本性に火が付いた。

 

知恵の木すなわち善悪を判断する木の善悪を考えてみたい。
善とは人間にとって有益(役に立つ)なこと。
悪とは人間にとって不利益(損)になること。

 

神は
自分にとっての損得で行動する人間を評して
死ぬと言ったのではないか。

 

神の言葉より自分(エゴ)を優先させた人間。
この世界を見れば一目瞭然で納得できる。

 


生命の木

吉田兼好は徒然草に以下のような文をしたためている。

 

『人間はアリのように集って東西に急ぎ南北に走って
夜になると眠り朝がくると働きだす。
何のためにそうした生活をいとなんでいるのか。
ただ長寿を願い、利を求めてやむときがないのである。
しかし老と死はまことに速くやってくる。
そんな有り様で人生に何の愉しみがあるだろうか。
ところが迷っている人間はそれを少しも気にかけない。
というのは名利におぼれて
死という人生の終点が近いことを考えようとしないからである。』

 

その一方で
不老不死の霊薬を求めて旅をする話は世界各地に伝えられている。

 

聖書にも永遠の命を得るとされる生命の木があり、
その対として食べれば死ぬ知恵の木があった。
知恵の木の実を食べたアダムとイヴの子孫である我々が
何らかの飽くなき探求で生命の木にたどり着き
その実を食べたと仮定してみよう。

 

裸を恥と感じず神と一緒だった楽園時代が見える。


自我

神のしもべとして完璧な日々を送っていたアダムとイヴは
身に何もまとっていなかった。
生まれてすぐの赤ん坊のように。

 

そこに蛇がすり寄って囁く。
これを食べれば目が開いて神と同じようになれる。
結果、
彼らはお互いの裸を恥(他者の目を気にする)と感じる。
必然の楽園退去(完璧から遠ざかる)の原因は蛇。

 

この蛇を自我(エゴ)と仮定してみたい。
赤ん坊は無垢な存在でけがれを知らない。


しかしこの世はけがれた世界なので
成長とともに生きる知恵(自我)が養われ
神とともに過ごした完璧(本来の自分)は失われる。

 

自我(よろい)を身にまとっている限り
自分の正体は分からない。


生きるを考えてみた

『祇園精舍の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらはす。
奢れる人も久しからず、
ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者もつひにはほろびぬ、
ひとへに風の前の塵に同じ。』

 

こんな人生を生きたくない。
だから考える葦になって考える。
そしてヴィクトール・フランクルという偉大な人物に出会う。
ナチスによる極限的体験を経て生き残った人(精神科医、心理学者)で、
著作(夜と霧、死と愛)も多くある。
フランクルは言う。

 

『人間が人生の意味は何かと問う前に
人生のほうが人間に対し問いを発してきている。
だから人間は本当は生きる意味を問い求める必要などないのである。
人間は人生から問われている存在である。
人間は生きる意味を求めて問いを発するのではなく
人生からの問いに答えなくてはならない。
そしてその答えはそれぞれの人生からの
具体的な問いかけに対する具体的な答えでなくてはならない。』

どれほどの苦悩があっても
答えを出せる人生なら生きるに値する。


イデア

『騎士団長殺し』第一部のサブタイトルは顕れるイデア。

 

イデア(idea)とはもと見られた姿や形で
理性によってのみ認識されうる実在。
感覚的世界の個物の本質、原型(プラトン哲学)。
純粋理性概念(カント哲学)。
絶対的実在(ヘーゲル哲学)。
価値判断の基準になる永遠不変の価値。

 

わたし(イデア)は招かれないところに行けない体質になっている。

 

イデアを招かないと生きたことにならない。


ひつじ

正直さと真実との関係は船のへさきと船尾の関係に似ている。
まず最初に正直さが現われ最後には真実が現れる。
その時間的な差異は船の規模に正比例する。
巨大な事物の真実は現れにくい。
我々が生涯を終えた後になってやっと現われるということもある。
(村上春樹の『羊をめぐる冒険』)
 

大山阿弥陀堂に上る階段下にある。

 

地域経済を支える牛馬市が盛んだった大山。

しかし羊は売買の対象にならなかった。

でもひつじの墓はある。

デッドエンド。

 

混沌から生まれたこの世界は

このような話で渦巻いている。

 

我々は偶然の大地をあてもなく彷徨っているということもできる。

ちょうどある種の植物の羽根のついた種子が

気紛れな春の風に運ばれるのと同じように。
しかしそれと同時に偶然性なんてそもそも存在しないと言うこともできる。

もう起こってしまったことは明確に起こってしまったことであり、

まだ起こっていないことはまだ明確に起こっていないことである、と。

つまり我々は背後の「全て」と眼前の「ゼロ」にはさまれた瞬間的な存在であり、

そこには偶然もなければ可能性もない、ということになる。(羊をめぐる冒険)

 

でも背後にはすべてある。

だから背後を知れば真実に触れられる可能性もある。


下りと上り

至るところでお地蔵さまを見かける大山は地蔵信仰発祥の地。
大山道路の表玄関辺りに
別れ地蔵(分けの地蔵)という大きなお地蔵さまが裸足で立っている。

 

家に帰る下りは別々の道を歩むけれど
 

大山に向かう上りは同じ一つの道になる。

 

大山は大きな山なので裾野(特に北東部)も広大である。
この裾野から大山に向かう道が多くあり
その道は当然のことながらすべて大山につながってる。
下界から道を開拓し大山を目指した名もなき人々は道中の安全を願って
自分たちが歩く路傍にお地蔵さまを奉納したのではないか。
大山を目指すすべての人たちを受け入れ元気を与えた大山。
懐の深さはそのお地蔵さまの数が物語っている。


土は白

大地主(おおとこぬし)神の田の苗が
御年神(大年神の子)の祟りで枯れそうになったので
大地主神が白馬、白猪、白鶏を供えて
御年神を祀ると苗は再び茂ったという説話(古語拾遺)がある。

 

田の苗が枯れるということは
大土神(土之御祖神)が宿っていなかった可能性がある。
すべてを育む大地母神(大土神)は色付けを好まない。
枯れかかった苗が枯れなかった最大の原因は
潔白さ。
潔白な生き方ができれば老いることはない。


土を大切にしよう

『この国のかたち』を記した司馬遼太郎は
題名のクニに
土という漢字をあてたかったという話を読んだことがある。

 

香取村の開拓精神は土を大切にすることだった。

土の神である大土神(土之御祖神)のルーツは
スサノオと神大市比売の間に生まれた大年神で
大山咋神(日吉大社の祭神)と兄弟関係にある。

また開拓の神とされる
大国魂神(北海道神宮の祭神)も大年神の子である。

 

開拓団のリーダー三好武男は満州から引き揚げ後、
すぐに大山開拓に取りかかったのではなく
20日問かけて九州のすべての県を廻り、
他にも長野、関東、岡山とまわり
入植地を探し回ったけれど
土地が狭すぎて話にならなかったという。

 

そんな時、
伯耆に大山という大きな山があって
そのすそ野は広大であるという情報がもたらされる。
香取村の誕生である。

 

土を大切にし大いなる開拓の計を持つ人たちのところへ
土の神と大国魂神は動いた。
偶然を装った必然は
過去も現在も繰り返されている。


戦後開拓地

第二次世界大戦終結後、
外地(満州や朝鮮)からの引揚者や復員軍人
戦災によって住む家を失った都市住民などの受け皿として
国は人の住めないような原野を提供し
食料増産を目的に未開地の開拓を促す戦後開拓事業を進めました。

 

戦後開拓地の対象になったのは
火山灰台地や北海道の泥炭地のように
酸性土壌で農耕は不可能な場所や
標高1500mを超える高地なども含まれていました。

 

過酷な肉体労働を強いられた開拓者は
時代の変遷とともに離村する(上九一色村)ケースもあり
荒れ地開拓の筆舌に尽くしがたい労苦がうかがえます。

そんななか、
大山北面中腹に生まれた開拓村があります。
敗戦後、
日本に引き揚げて来た彼らの故郷はすでになく
自らの居場所を作るべく開拓に着手したのだろうと思います。
人の住めない土地(鳥取県大山)に
香川県出身者で構成された開拓団は息を吹きかけ
香取村は誕生します。

香取開拓団の団長を務めた三好武男氏は
入植時に以下のような目標を立てました。

 

   吾々はなぜ開拓に汗を流すのか。
   冒険である、苦しい道を歩む、現状に満足できず、夢に生きて。

   何を求めようとするのか、何を希うのか。
   金や物だけが目標ではない。
   人間の真に求めてやまないものがある筈だ。
   それは…その為には…
   どうあるべきか、どう生きるか、何をするか。

   開拓には楽しさよろこびがいっぱいある。

 

大地の子になろう。


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