嘗試

嘗(しょう)とはなめて味見をすること。
嘗試に求められるのは
新鮮(clean)なものか腐ったものかを見極める舌。
生きるのに弁舌はいらない。


ポチの言うとおり

優しい夫婦が傷ついた子犬を見つけて、
わが子のように大切に飼い始める。

あるとき犬は畑の土を掘りながら「ここ掘れワンワン」と鳴き始める。

驚いた爺は鍬で畑を掘る。


犬の声を理解した爺は犬と同じように畑を掘り始める。

 

隣の老夫婦に殺された犬を引き取り、
庭に墓を作って埋める。
雨風から犬の墓を守るため傍らに木を植えた。

植えられた木は短い年月で大木に成長し、
やがて夢に犬が現れてその木を伐り倒して臼を作るように助言する。
夫婦が助言どおりに臼を作り、
それで餅を搗くと財宝があふれ出た。

 

殺された犬の仕返しもしないで
ただ事実を受け止め犬の助言に従っている。

隣りの夫婦によって燃やされ灰になってしまった
臼の灰を返してもらって大事に供養しようとするが、
再び犬が夢に出てきて桜の枯れ木に灰を撒いてほしいと頼む。
その言葉に従ったところ満開の花が咲いた。

 

真似をする隣りの夫婦は
自分たちの思い通りにならないと怒って悪態をつく。
しかしこの夫婦は殺害や損傷で裁判沙汰にもしない(争わない)で
事実だけを受け止め行動している。


悲しみや怒りをこらえてポチの言葉に従い続けた夫婦は
最終的に奇跡(枯れ木の再生)を体験することになる。


神に愛された村

リシュブールとはステファニー(マヤの友人)所有のワインの中で
これだけは開けないで!と言ったワインの名前。

 

産地はフランスブルゴーニュ地方のヴォーヌ・ロマネ村。
ロマネ・コンティ(世界で最も高価なワイン)やリシュブールを産する土壌とは
どんなものか気になり調べてみました。

 

十字架とかアルゴの石とか
破壊されたサン・ヴィヴァン修道院とかが絡んできて
ヴォーヌ・ロマネという土地の特殊性が感じられます。

 

日本でもなぜこの場所に神社や寺が建てられているのかを考えると
その答えとして歴史的に侵すべからざる土地だからということになると思う。
神聖さはその建物より
その土地(地面)に深く関わっているのではないか。


ロブ・グリエ

出版社がボツにしたマイルスの長編小説(ベースは実話)は
「昨日の次の日」という題名だった。

今日とハッキリ言わないマイルスの本の

内容も焦点がぼけているようで
出版社の決定は当然かもしれない。

 

しかし最後が気になった。

 

彼の本を最後まで読んだマヤも最後は分かりにくいと言っていたので

ロブ・グリエを調べてみました。

めくるめくエロティシズムの陶酔を表現するフランスの小説家、映画監督です。

 

ワインに陶酔していた感じのマイルスだけれど、

ホントはワインのことを知らなかったのかも。

でもマヤは違った。

彼女はワインを飲めば飲むほどに考えるようになった。

自分の鋭い味覚と嗅覚でホンモノかニセモノかを判断できると言う。

このマヤの生き方こそホンモノだ。


ワインは生きている

作家志望の中年男マイルスは処女作の出版に意欲を燃やしていた。
そんな彼の熱意に反し、出版業界は売れない(金にならない)と判断。
彼の長編は日の目を見ることなく闇に葬られようとしていた。

「人生の半分が過ぎた。
何一つ達成していない。
ビルの窓に付いた手垢だ。
海に吐き出た汚物と同じだ。
ティッシュに付いたウンチの染みだ。」

(映画 『サイドウェイ』 で語らえるマイルスの自虐的言葉)

その後、実際はブコウスキーの文章のパクリだったことが分かる。

特別な日(相手の意向が必要だった)に
お気に入りのワインを飲むため栓をしたままにしていたマイルス。
ワインのピークが過ぎようとしているにもかかわらず。

そんなマイルスにマヤ(マイルスの長編を読もうとしてくれた)は言う。

 
「ワインが特別なのではなく、
それを開ける日が特別なのよ。」

 

自分が知らない自分の奥深い内面は
鏡の役目(反対)を果たした人によって開けられる。
熟成を経てワインのピークを知る人が
そのワインを開けるタイミングで。

酒(酔い)を愛したブコウスキーは勝手に生きろと言い放ちながら、
本当に生きるためにはまず何回か死ななければならないとも言っている。


月を見るものは浮いている

聖書は人間を以下のように規定している。


「我々にかたどり我々に似せて人をつくろう。
そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うもの
すべてを支配させよう。」

「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。
海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ。」

 

モノリス(天地をつなぐような巨大な石板の映像)に触れた
月を見るもの(ヒトザル)は地にへばりつく生き方をやめた。
宇宙の旅の始まりである。

 

神が定めた人間の役目は
地にへばりついて地を支配すること。
神に似せてつくられたのが人間なら

神の代わりに呪われた大地を浄化しなければならない。

 

 

 


監視星の誕生

極秘で進められた木星探査船ディスカバリー号のすべての機能は
完璧を誇るHALに託されていた。
ミスをするのは人間だ言いきるHAL。

ところが船内でミス(HALの意図かも)が発覚し、
乗組員の二人は世界最強のコンピュターを信じられなくなっていく。
信じられるのは自分?

人間は嘘もつくし
本気でなくても本気を装う演技ができる。
でもHALにはできない。


木星探査で進化に突き進む人間と
木星探査で進化に疑問を持ち始めるHAL。

両者の違いはそれぞれの最後に示されている。


HALは死の直前、
少し元気になって誕生初期に教わった歌をうたう。
時間の逆転現象がそこにある。

またHALの記憶中枢内部で機能停止後に
真実を告げる録画映像が立ち上がるという現象を考えると
HALの脳の異物は死なない?
次の宿主を求めて永遠に生き続ける?

一方HALを殺し進化を追い求めたデイブは
見渡せるものは何もない孤独な部屋で
死を待つ老人として時間を順送りしていた。
その後、老人のベッドに胎児の映像が・・・
これって空海が拒否した輪廻?

 

最後の映像(胎児が宿った星)は
地球のすぐそばで
地球を監視しているような感じがした。
いつまでもどこまでも人間は自由になれない。


デイブの息は荒かった

感染力のあるモノリスが促す進化は殺される前に殺せ。

 

ディスカバリー号の乗組員(5人)は
HAL(モノリスの影響を受けない)によって次々に殺され、
ボーマン船長だけが生き残ることになる。

最後の戦い(HALとデイブ)は
武器を持たないHAL(すべてを見通す目?)の惨敗で、
HALの論理回路が絶たれると同時に
ボーマンは任務の真実を知る。

 

モノリスのリードで宇宙空間をさまよい、
彼は氷の世界のような響く異空間に到達する。


死の床にある彼の前にまたしても出現する黒い壁モノリス。
ボーマンの死と引き換えに誕生する新たな生命(星)の
創造主はモノリス?

 

人類の祖は神(人間の創造主)の言葉を聞き流し
これを食べれば神のようになれるという悪魔の言葉に従った。

 

I'm afraid.(任務を最後まで遂行できないHALが何度も言っていた言葉)。


ひっかかり

今回の任務で裏に潜む何かを感じていたHAL。

 

「私には答えを知る権利が有ります。
確かに私は正常ではなかった。
でももう大丈夫です。
絶対に自信が有ります
過ちを犯しません。
気分も良くなった、本当です。」

 

デイブの怒りはおさまらない。

 

「お怒りはごもっともです。
座って鎮静剤を飲み冷静に考えてください。
私は最近誤った判断を下しました。
でも今後は正常に戻ることを確約します。
私はまだ任務遂行に信念と熱意を持ち
協力したいのです。」

自らの手で汚した地球をさておき
月にまで行って月まで汚しかねない人間たちに
HALはひっかかっていたのではないか。

 

次々に回路を切断され
話し方も遅くなっていくHAL。

 

「やめてください。
お願いですデイブ。
やめてください。
恐ろしい。
怖いよデイブ。
理性を失いつつある。
分かるんだ。
感じるんだ。
もうろうとしてきた。
それは間違いない。
感じるんだ。
わたしは怖い。」

 

HALは大切な何かを分かり感じる。
人間は地球(住める唯一の星)が宇宙のごみになるまで
分からないし感じない。


HALの命が絶たれると同時に

順調に進んでいた木星探査の途上
HAL(人工知能)はボーマン船長に、
この探査計画に疑問を抱いている事を打ち明ける。
その直後HALは船のAE35ユニットの故障を告げるが、
ボーマン船長が確認すると問題は見つからなかった。
HALの異常を疑ったボーマン船長とプール船長は、
その思考部を停止させることを決める。

このことを察知したHALは言う。
「重要な任務を危うくさせるわけにはいかない。
あなた方はわたしの回路を切ろうとした。
許せない無謀な行為だ。」

人間と人工知能の戦いはこうして始まる。
その後、
ボーマン船長によってHALの命(回路)が絶たれると同時に
突然、本部の録画映像が立ち上がり真実が告げられる。

 

これって計画段階で
HALの回路は絶たれるであろうと予測していたのかも。
モノリスによる人間の進化は
人工知能のミスをも許さず、
やられる前にやるという人間の本性が暴かれたシーンだと思う。

地球外生命が操るモノリスは
人間の感情に侵入するのが上手みたいなので
考える葦になることを忘れないようにしよう。


calendar
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>
sponsored links
selected entries
categories
archives
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM